(ブルームバーグ): イエレン米財務長官は23日、下院歳出委員会小委員会の公聴会で証言し、正当化される場合、当局には預金保護で追加措置を講じる用意があると述べた。前日の上院での証言テキストと異なる新たな文言が加えられた。

イエレン長官は前日のものとほぼ同内容の証言テキストに沿って発言。最近の政府の措置は米国民の預金の安全性を確実にするために講じられたと繰り返し説明した。ただこの日の証言ではその後に、「もちろん、正当化される場合は追加措置を講じる用意があるだろう」と述べた。

バイデン政権の預金保護に関する姿勢は注目を集めており、事前に準備された証言テキストの公表を受けて銀行株は浮動し、KBW銀行株指数は1.7%安で23日の取引を終了した。

22日のテキストから削除された段落

  • 私が先週述べたように、米銀行システムは健全だ。連邦政府の最近の行動は、預金者の貯蓄が確実に安全であり続けるよう、必要な措置を講じる当局の断固たる取り組みを示すものだ

23日のテキストに加えられた段落

  • 私が述べてきたように、当局は重要な手段を使い、悪影響の波及を予防するため迅速に行動した。そして、こうした手段は当局が再び活用する可能性があるものだ。当局による力強い行動は米国民の預金の安全性を確保する。もちろん、正当化される場合は追加措置を講じる用意があるだろう

イエレン長官は22日の上院歳出委小委員会で、議会の承認なしに預金保護を一時的に米銀の全預金に拡大する可能性について、財務省当局者は検討も議論もしていないと証言し、銀行株が急落した。

22日の証言では、こうした預金保護の拡大には法律制定が必要になるだろうとしながらも、ある銀行の破綻が広範な取り付け騒ぎを招く恐れがある場合、ケース・バイ・ケースで当局は再び預金者保護を行う用意があるとしていた。

突然の預金流出を契機とした米地銀の連鎖的な経営破綻を受け、預金保護に関する当局の準備について投資家は明確化を期待している。

アーミー元共和党下院院内総務の元アドバイザーで、現在はパイパー・サンドラーの米政策責任者を務めるアンディ・ラペリエール氏は、連邦預金保険公社(FDIC)の預金保護の現行上限25万ドル(約3270万円)を変更できるのは議会だけだと述べた。

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原題:Yellen Says US Prepared for Additional Deposit Actions If Needed

Yellen Says US Prepared for Additional Deposit Actions If Needed(抜粋)

(背景などを追加して更新します)

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