GPT-4が労働市場に与える影響と各職種のリスク評価──OpenAIの研究者が論文発表
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海外の論文ならでは、タイトルがいいですね。"GPTs are GPTs" 、訳すと「GPT（生成系事前学習トランスフォーマー：Generative Pre-trained Transformer）は、GPT（汎用目的型技術:General-Purpose Technology）だ」ということで、GPTというAIモデルが広い職務に影響を及ぼすことが結論付けられた内容になっています。
なお、論文内に記載されていますが、この報告には２つの限界が含まれていることを念の為、記したいと思います。（学術論文では必ず研究内容の限界点を書くことがルールになっています）
一つは、調査がアメリカで行われていることから、産業構造や規制・制度、言語、文化などが異なる他国にも適用できるとは言えないことです。この点について、私たち日本人は結果を冷静に受け止める必要があるでしょう。
一方、もう一つが、この研究ではマルチモーダル化したGPT4で機能実装された「画像入力→文章出力」などのビジョン機能面が考慮されていないということです。恐らくこの点については、追って研究報告されるものと思いますが、その影響度は今般の結果よりも、より大きいものになると想像されます。リモート環境(OpenAIのサーバーにある)汎用的なモデルでプロフェッショナルの仕事が成り立つのかどうかは疑問もあります。仕事にGPTを使う上では、GTPにプロンプトやコンディショニングの形で関連情報を渡せるのかどうかによってその影響範囲は変わって来ますし、特化した作業に合わせてモデルのチューニングも必要になります。OpenAIはしないでしょうが、モデルがオープンソース化されれば(GPT4ほどではないがすでに存在するものも)、ローカル環境内でそのような情報を使った作業もできるようになるでしょう。またゆくゆくはモデルは小さくなっていき、パソコン単体でも動かせるようになるかもしれないですし、さらに技術が成熟すれば言語モデルそのものがチップになる日も来るでしょう。
数学で動いている機械が数学者の仕事に影響を与えるという予測は面白い
数学者もツールとして上手く活用していくことが求められるのだろう
特に高収入の職種のリスクが高いというのが気になりますが、「ラベル付けをしたアノテーターは対象とした職業に属しておらず、タスクを単純なラベルで要約することでバイアスが生じた可能性」という制約もありますし、今後が楽しみですね
