ESGファンド設定、2割に急減 「名ばかり」規制強化
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「ESG」と名前に付けた金融商品(投信等)が売れる傾向があります(特に欧州)。にもかかわらず、その投信の組み入れた企業を見ると、必ずしもESGに真摯に取り組んでいるとは限らない「グリーンウォッシング」「ESGウォッシング」が問題となったことによる規制が数年前からはじまっています。
SFDRというサステナビリティ関連情報の開示に関する規則や、タクソノミー(会計基準のようにESG開示に関する項目・用語・定義)の統一などが行われています。欧州の資産運用機関だけでなく、欧州の年金基金などのお金を運用する欧州以外(米国や日本も)の資産運用会社もこの規制の影響を大きく受けています。
SFDRは2021年から2022年にかけて導入され、タクソノミーは2022年から2023年にかけて導入される予定です。したがって記事中にある「まだルールに曖昧な部分がある。出した後からウオッシュと批判されても困る」(国内運用大手幹部)というのが実態をよく表しています。つまり一時的な急減であろうと思われます。
では「ESG」と銘打たなければいいのではないか、とのことでESGを付けない運用に切り替わることも考えられると思いますが、SFDRの下では、ESGとは付けないすべての金融商品に関して、「ESGリスクが、投資判断に組み込まれているかどうか(Comply or explain)また、どのように組み込まれているか」を開示する義務があります。欧州だけでなく世界的に、中長期投資家は、株主の権利を守るガバナンス(G)は当然のこと、従業員やステークホルダーなどとの共存を目指す社会(S)や長期で大きな経済的損失の怖れがある環境(E)などをまったく考慮しない投資はありえません。
「ESG」を名前に付けようが付けまいが、投資家の利益のためにESGを考慮する大きな流れには変わりはないと思います。
参考)「ESG投資は揺らがない」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD02A0D0S3A200C2000000/