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アジアマーケットが開くまでに、何かの決着をつけないといけない状況なわけで、もうさすがに国有化しか道がなくなりつつある。

ここまでの流れは下記で。
UBS提示の買収案、低過ぎるとクレディ・スイスが難色-関係者
https://newspicks.com/news/8240447

国有化のシナリオだと、ざーっと個人的に気になるのは下記あたり(なお金融セクター担当ではないので、素っ頓狂なことを言っている可能性もある…)。

①国有化だったとしても、破綻させずにできるかがキー。もし破綻してしまえば、グローバルな金融システム全体に極めて強いストレスがかかるし、特に様々なデリバティブのカウンターパーティリスクが気になる

②破綻しなくても、Credit Suisseの既存株主の価値の大部分もしくは全て、もちろん飛ぶだろう

③気になるのは債券保有者や市場調達部分。CoCo債とかの設計を完全には理解していないが、破綻を防ぐためのものだからまずここから削られるはず。一方で通常の債券とか、市場調達部分までロスが出ると、実質破綻していて金融システムにリスクがかかりそう。そうならないで国有化するスキームというのをどう作れるのか
ここについては下記も。

UBS makes offer for Credit Suisse, bondholder losses considered
https://newspicks.com/news/8240660

④結局、トータルのコストとしてはUBSが求めていた60億ドルという保証額や、10億ドルという買収金額よりはるかにコストがかかる可能性。
これは、下記でコメントしたが、UBSが買収する形態だと、UBSの資本も使えるのでレバレッジが効く状態。国有化の場合は、もちろん国の信用力はあるが、Equityとしてはそのまま投入する形になるわけで。

UBS、クレディ・スイス買収へ政府保証60億ドル要求=関係筋
https://newspicks.com/news/8239194
UBSとしては、自ら望んでクレディ・スイスを買収する訳ではないので、17日時点ではあらゆるリスクヘッジを織り込んだ価格を提示したと言うことでしょう。それが時価の8分の1というプライシングにつながっています。それほど(単純な資産評価だけでなく、コンプライアンス体制の立て直しなど大ナタを振るわなければならない分野のコストや、UBSと統合してしまうことによる悪影響などを含めて)クレディ・スイスに対する評価はひどいということなのでしょう。そうなれば、「最後の買い手」として政府が出ていくしかない訳で、国有化という選択肢を検討する段階に入ったということなのでしょう。もちろん、スイス政府はクレディ・スイスを国営銀行して存続させるつもりはないはず。UBSが買わない以上、資産をバラして国内地銀に売るか、外資に転売するまでの繋ぎとしてスイス政府が一旦預かるということのなる可能性が高いです。投資銀行部門はすでに「ファーストボストン」としてスピンオフが決まっているので、残りの「普通の銀行」を売ろうとすれば、結局今回のUBSがつけたディストレス価格に近いプライシングに戻るという気がします。いくら「株主と劣後株式を持つ社員の利益を損なう」といっても、そういう会社にしてしまったのは株主と社員なので、文句を言える立場ではないと私は思います。
一度破綻しないと決まらなそうだなー