アルツハイマー治療薬を効率的に脳に届ける技術 実験で成功
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アルツハイマー病の治療に関する基礎実験の研究報告です。一般的に、薬は口から摂取したり注射を打ったりすることで血中に届きます。アルツハイマー病のように脳内をターゲットにした薬剤の場合は、血液から脳に薬を届ける必要がありますが、その境界には血液脳関門と言われるバリアがあり、薬の種類によってはそのバリアを通りにくくなってしまいます。今回の研究結果を応用すれば、より効果的に薬剤をターゲットに届けやすくなるかもしれません。
注目のコメント
論文はこちらだと思います。
https://jnanobiotechnology.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12951-023-01772-y
ミセルと呼ばれる油になじみやすい部分と水になじみやすい部分をもった集合体の中に抗体をいれるという話だと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%BB%E3%83%AB
ミセルは、細胞膜によく似ています。
またその参考文献をみると
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsnano.9b09991
そこで出てくる物質は、ポリエチレングリコールが油になじみやすい部分、ポリリジンが水になじみやすい部分にあたるだろうと思います。
さらに、グルコース(ブドウ糖)をつなげることで、Glut1という膜中でグルコースの通り道となるタンパク質を利用して、脳血液関門を通り抜けるのではないかと思います。
医薬品は、一般に高用量、投与すれば副作用が出ることが多くなります。レカネマブやアデュカヌマブも高用量投与することで、臨床試験を通しましたが、副作用もそれなりの率で出ました。このような技術を使えば、副作用を減らせる可能性があるだろうと思います。
(ただし、副作用と作用点が同じであれば、その限りではありません)脳の病気が難しいとされるのは、BBB(Brain Blood Barrier 脳血液関門)と呼ばれるものがあり、外界からの物質が脳に入らないよう守っているためと言われていました。
しかし「レカネマブ」の治験の成功でもわかるように、少しでもそれが入れば、効果がでると近年はされてきています。
この実験は将来的にはたとえば脳のがんである膠芽腫にまず第一関門であるbbbを通過するための技術として応用されるかもしれません。