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旧暦正月のプレゼントにぴったりのお手軽さ

シャオミ的発想、超小型TVセットトップボックス

2015/2/10
2015年初めに開かれた新製品発表会で、「シャオミ」(小米)は、シャオミブランドのファンたち「米粉」がてっきり「卒業した」と思っていたハイエンド・スマートフォンである新型フラッグシップスマートフォン「Mi Note」を発表した。 さらに気が利くことに、2月19日から始まる旧暦正月で里帰りする際、実家へのプレゼントにぴったりの新製品「シャオミ・ミニボックス」(小米小盒子)をリリースした。パッケージは新年にふさわしく縁起がよい赤、そこに「最高の新年プレゼント」とのキャッチコピー。さて、この箱に詰まっているのは何なのか。

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外観デザインはまさに「小さな箱」

その名前「ミニボックス」は体を表している。第一の特長は小さいことで、縦横ともに46.8ミリ、そして高さが38ミリのTV用セットトップボックスだ。携帯電話の充電器よりやや大きく、スマートコンセントよりは小さいサイズで、既存モデルのTVセットトップボックス「シャオミ・ボックス」の4分の1しかない。

よくあるTVセットトップボックスとは違い、シャオミ・ミニボックスには電源が内蔵されており、直接コンセントに挿すデザイン。余分なスペースを必要としない。

色は白が基調で、底部は赤、黄、青、緑など5色から選べるが、コンセントに挿すと隠れてしまう。目に入るのは白い部分だけだ。底部にはコンセントが収納でき、HDMIソケットに直接コードをつなぐ。

サイズのおかげで、端子はHDMI1.4が1個だけ。ほかに1.5メートルのHDMIケーブルと11個のキーがついたBluetoothリモコンが付いてくる。色はともに白。真っ赤なパッケージに入っているのはこの3点だけだが、それらを接続すれば、テレビがこの上なく「強大」になるのだ。

接続は簡単すぎて、「友達いらねぇ」

シャオミ・ミニボックスをコンセントに挿して電源を入れ、それからHDMIケーブルでテレビと接続する。リモコンをシャオミ・ミニボックスの20センチ以内に近づけ、リモコンの両端にあるホームボタンとメニューボタンを同時押し。すると、本体とのペアリングが始まる。接続に必要な手順はこれだけ。「簡単すぎて友達なんかいらねぇ」ほどだ。

テレビをオンにすれば、自動的にWi-Fiを探し始める(が、パスワードの入力は面倒だ。リモコンのカーソルで入力するからだ)。接続すれば、MIUIのインターフェースが現れる。オンライン動画、ゲームセンター、アプリストア、アプリ一覧という4つのカテゴリが表示される。アプリページには設定、HD再生、クラウドアルバム、無線LAN表示などが含まれている。新たなアプリをダウンロードした場合もここに表示される。

テレビコンテンツは、人気番組の推薦、映画・テレビのジャンル別、特集、ランキングなどのカテゴリが用意されている。ユーザーページで自分の視聴記録を見ることもできる。
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ミニボックスも旧製品と同じく、銀河インターネット電視(GITV)と提携し、CCTV(国営の全国放送テレビ)や江蘇ネットテレビ、映画ネットワークなどのコンテンツ・プラットフォームを利用できる。最近人気のテレビドラマやバラエティ番組、さらにネット配信が始まった人気映画などを観れる。また、ネット回線が速ければ、ブルーレイ版特集や3D特集の映画だって視聴可能だ。

スマホを最大限に利用して楽しめるトップセットボックス

ミニボックスにはクアッドコアのCPU、クアッド+デュアルコアのGPU、1GBのRAM、4GBのメモリが搭載され、ストリーミングの速度を保証。我々のテストでは平均ダウンロード速度1MB/sの環境でストリーミング速度は1300KB/s以上を記録した。早送りなどでも10秒以上待つことはなかった(もっともこれらはWi-Fi条件で決まるが)。

動画コンテンツの他、さまざまなアプリのインストールも可能。ミニボックスで検索できないアプリは、スマートフォンを使ってダウンロードできる。つまり、シャオミ・ミニボックスを使ったテレビではゲーム、電子書籍、ネットショッピングなどが楽しめる。またさまざまな楽曲、音楽リストの入ったシャオミ・ネットラジオもインストールされている。

スマートフォンに関連アプリ「投屏神器」[訳注:「投影神器」の意]をインストールすれば、携帯がリモコンになる。スマホで動画やアプリを探したり、スマホ上の写真や動画をテレビに映し出すことも可能だ。

また、「付近にシャオミかアップルの機器があります。コンテンツ利用が可能です」というメッセージが表示される。が、シャオミ同士なら問題ないが、iPhone上のコンテンツを投影しようとすると、「動画表示ができません」と警告メッセージが流れる。iPhoneで可能なのはまだ音楽再生だけのようだ。

持ち運びできる上に安価、新年のプレゼントにぴったり

同種のTVセットトップボックスや旧型製品と比べて、シャオミ・ミニボックスは特に機能面で優れているわけではない。解像度は1080pで、4K動画の再生が可能だった旧製品より劣る。コネクタもHDMIが1個あるだけ。またリアルメディア形式の動画ファイルにも対応していない。

とはいえ、全般的に動画・音楽視聴やゲームなどのエンターテイメント・ニーズはほぼ満足できている。

機能としては十分となれば、小さくて持ち運びに便利、コネクタが少なく接続も操作も簡単という特長が生きてくる。199元(約3700円)という価格も経済的。まさに正月にぴったりの贈り物だ。

(執筆:高晨/ifanr.com 翻訳:高口康太)

※本連載は毎週火曜日に掲載する予定です。

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