【解説】習近平3期目本格スタート、全人代の4つのポイント
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ファクト&信頼のおける専門家分析・コメント。無論、様々発生するイベントについて、個々に全て内容を網羅的に書くことはできないものの、特に重要だというところ、そしてシナリオありきではない、こうした記事を今後もよろしくお願いします。
なお、文中でコメントされている伊藤信悟さんが所属する国際経済研究所はトヨタ自動車が中心となり1983年に設立。トヨタの名前を冠しないシンクタンク。
https://www.iies.co.jp/about/comment.html
注目のコメント
中国を代表する国務院総理といえば、建国以来26年間の国務院総理であった周恩来ですが、周恩来が実質的なナンバー2であったことで、毛沢東が暴走しても、大躍進運動の時も、文化大革命の時も、1000万人以上の餓死者が出ても、内戦で数百万人が死んでも、被害が抑えられました。周恩来が内政でも外交でも巧みに措置を講じ続けたからです。
国家主席が皇帝としたら国務院総理は宰相のようなもので、国務院総理が果たしうる役割は大きなものです。
周恩来が最も恐れたのは、自分に毛沢東以上の衆望が集まって、押し上げられることです。そうなれば容赦なく毛沢東に消されることを誰よりもよく知っていました。
国家主席と国務院総理の関係は微妙なもので、国務院総理経験者で曲がりなりにも中国のトップに立てたことがあるのは、華国鋒だけです。
新しい国務院総理、李強氏は、史上最弱の国務院総理といえるでしょう。
どう考えても、習近平国家主席を抑止することはなく、諫言することもなさそうです。
周恩来がそうであったように、国務院総理が行政や外交、軍事、経済の各部門の責任者たちと日常的に協議して、国家の政策を調整できるのが、中国政府が効率的に機能している状態です。
李強氏は、本人の人柄がどうこうよりも、北京中央での役職の経験が無いので、国政を中心で取り仕切るのは難しそうに思えます。13日に閉幕した全人代のポイントをまとめました。李克強氏が引退し、習近平氏の権限がより強くなっていっています。
国務院にはテクノクラートが多くいて、中国の経済政策、金融政策を支えていましたが、それも今後の国務院改革の中で、活躍の場を失っていくのかも知れません。