イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊セブン&アイ・ホールディングス名誉会長が98歳で死去
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セブン&アイの本社に行くと一階の会議室前の壁には伊藤雅俊氏の「お客様は来てくださらないもの、お取引先は売ってくださらないもの、銀行は貸してくださらないもの、というのが商売の基本である」という訓示が掲げられています。顧客がお店に来てくれるのは当たり前ではないという謙虚な姿勢が、顧客に提供する商品サービスや社員の行動に練り込まれているのかが同社グループの経営改革でも重要な遺言になると思います。4月から同社代表取締役に就任するご子息の伊藤順郎氏とは個人的にも大変懇意にさせていただいていますが、この訓示を体現したような謙虚で顧客起点の経営者。雅俊氏の優れた帝王学が窺われます。謹んでお悔やみ申し上げます。
20余年前、新卒で入った銀行でご担当させていただき、名誉会長にも年に2回ほどはお目にかからせていただきました。既に70代後半でいらっしゃいましたが、毎回、世界の金融、市場について色々な質問をされて、会議の間もずっとメモをされていたのが印象に残っています。
ご自分でもメモ魔と仰っていましたが、これだけの企業グループを作りながらも、驕らず常に勉強する、真摯な姿勢は今でも私の理想になっています。
当時は、特に世界でデリバティブ市場が大きくなっていることに大きな懸念を持たれていました。それが後にサププライム問題にまで繋がっていったことを思うと、色々な情報を繋ぎ合わせて、物事を俯瞰してみる力の大切さと共に、名誉会長の凄さを改めて感じます。
心からご冥福をお祈りします。
ありがとうございました。私が東大でプログラム責任者を務めている近未来金融システム創造プログラムでは、各年度の締めくくりに「総括討議」という公開講義を行なっていますが、その会場は伊藤雅俊氏が行なった寄付によって建設された「伊藤国際学術研究センター」の伊藤謝恩ホールと決まっています。素晴らしいホールで、東大EMPの修了行事にも使われています。東大関係者は通称で「伊藤ホール」と呼んでいますが、その伊藤さんが、この方であることを知らない東大生は少なくないと思います。ここに、その功績を共有さていただき、感謝に代えさせていただきたいと思います。
https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/iirc/ja/index.html