マッキンゼーのような「コンサル企業への依存」が政府を劣化させた─経済学者マリアナ・マッツカートが警鐘
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公的部門に社会課題のコンサルティング機能を担えるだけの体力が失われており、外部の力を頼らざるを得なくなっていることが原因です。政策を企画立案から実現するまでの人的・物的リソースが不足していることに尽きます。
説明責任の下で何から何まで証拠と説明、それらを立証する材料を求めていることも官の体力を疲弊させています。もちろん、一定程度の説明は必要ですが、本質ではない重箱が突っつかれることも多いです。
注目のコメント
私もコンサル出身者ですし中立ではないので、その是非には触れませんが、政府がコンサル頼みになる構造は、日本にも浸透しつつあります。
毎年予算・人員が減り、一方で働き方改革(そのものは良いことですが)で1人当たりもキャパも減り、他方でただでさえ社会は複雑化していて仕事は増えるし、役所の習性として古い計画をなくせないから、看板の掛け替えで計画を「さばく」仕事が増え続ける。そうすると、緊急かつ重要な仕事の次は、緊急な火消しや防火に追われることとなり、重要でも緊急ではないような、中長期を見据えた政策立案に割かれる時間は減っていきます。そして、外部のコンサルに委託するようになります。
コンサル委託料の多寡は別として、政府にいた身としては、「プロジェクト設計がきちんとできていない調査発注」でも、「コンサル丸投げ発注」でもなく、発注するからには、コンサルの検討をきちんとグリップして、プロジェクトの価値を共に高めることができているか、が重要であると思います。コンサルを否定するより、コンサルとの新たな関係性を模索していくのが健全じゃないかなー。
「専門知識や現場解像度に欠ける人が、経営に介入し、中々成果を出せない」という問題だと、コンサル企業への依存問題以外に、社外取締役問題、コーポレートガバナンス問題もある。
そして、企業と取締役との関係性は今黎明期にある。
Board 1.0が経営助言中心のアドバイザリー・ボード。Board 2.0が業績監督中心のモニタリング・ボード。
しかし、専門知識、現場解像度が低く、独立性が高い社外取締役メンバーの助言、監督機能では、目まぐるしく変わる事業環境のスピーディに適応できないという問題が長らく指摘されてきた。
その状況を受けて提案されたのが、Board 3.0。PEファンドのガバナンス形態を参考に、経営戦略の策定と業務執行の監督を専門的に、常駐的に担当する取締役(3.0取締役と呼ばれる、旧来の社外取締役の情報、リソース、意欲の壁を超える存在)を置くガバナンス形態。
これは企業ガバナンスの話だが、記事にある政府系機関のガバナンスにも適用できる。
コンサル企業が3.0取締役の派遣元となることで、新たな、互いの解像度を高めて成果に向き合う関係性が構築できる可能性がある。そして、コンサルから政府系機関へのノウハウ、スキルの移転も進む可能性がある。
ちなみに弊社ユーザベースは今年2月に非上場化し、PEファンドの傘下になり、まさにBoard 3.0への転換の最中にあります。