【超効率】「鉛ブロック」で作る、未来の電池システムが最強すぎる
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今回は「熱電池」。ロケットなどで使われる古くからある技術だそうですが、鉛筆の芯と同じ黒鉛を使った「ブロック」を加熱して電気に変えるしくみとのこと。安く、効率よく電気を貯められるそうで、産業分野で広く使うことを目指しています。
番組でこのところ紹介しているトピック、ポテチ袋と同じ素材で作る太陽電池だったり、炭でCO2を吸収したり、既存の素材を転用して高効率、低コストの新たなしくみを作る気候変動テックが多いですね。電化が難しい高温プロセスの熱を電気に変換することが可能な熱電素子とシステムを作っているベンチャーのAntora Energy。
ゼーベックの熱電変換現象の発見から熱電変換材料の研究も長年続けられていますが、Thermophotovoltaic熱光起電力は名称にもあるように、熱のPVと捉えれば良いかと。動画では1500℃も熱電変換可能と言ったように、ヒートポンプでは対応出来ない産業用の熱プロセスから発生する熱を電化・蓄電することは画期的です。
ただ変換効率の高い素子だけ作ればOKかというとそうもいかず、熱を逃がすことなく変換するためのシステムまで組み上げる必要が有るので、どの熱プロセスを対象にしていくかが重要になってくるでしょう。可動部や摺動部の無い熱プロセスだとすると溶解炉あたりですかね。熱光起電力変換器(TPV)は楽しみな技術ですね。
説明されていたスライドによると
・太陽光や風力の余剰電力
↓ 炭素ブロックを加熱
・熱電池に蓄熱
↓ TPVで電気に変換
・オンデマンドで工業用の熱や電力へ
ここで、キモになる技術が、ジャスティンさんが「基本的な仕掛けはトースターと同じ」と言っているTPV。加熱された炭素ブロックから放射される光を、太陽光パネルと同じように電気に変えるという技術です。
未来の技術と思われていたTPVに対して、大規模な実証実験を行い、量産の仕組みまで整えているとのこと。気候テックの盛り上がりを感じるとともに、日本のGXとのスピードの違いを痛感します。