2023/3/8

【秘話】秋田の田舎町に、最先端の「バイオテック企業」がある

NewsPicks編集部 記者
秋田県の大仙市。県庁所在地の秋田市から電車で1時間の田舎町に、最先端の「バイオテクノロジー企業」がある。
創業113年目を迎える、秋田今野商店だ。
写真:秋田今野商店
秋田今野商店が扱うのは、日本酒や味噌づくりに欠かせない種麹。発酵の肝となる麹菌を培養して全国の清酒メーカーなどに卸す種麹屋は、日本にはわずか10社しかない。
この種麹屋が最先端のバイオテクノロジー企業として注目を浴びるのは、菌の用途の幅広さにある。
日本酒、醤油、味噌、みりんといった食品だけではなく、農薬や化粧品原料など、新たな市場を切り開いているのだ。
「麹菌って、実は5兆円産業なんですよ。そして高温多湿な日本は、カビを使った発酵に歴史的に強い。世界で勝てるだけのチャンスがある分野です」(今野宏社長)
世界で発酵技術に注目が集まる中、どんなビジネスチャンスが眠っているのか。日本にしかない技術とは。
種麹屋の中でも、ひときわユニークな秋田今野商店の今野社長を直撃した。
INDEX
  • 「麹菌だけ」で5兆円産業
  • 最古のバイオビジネス、「種麹屋」
  • 保有する菌株は「1万種類」
  • 職人は「菌の声」を聞く