クフ王のピラミッドに未知の空間、名大らが特定 破壊せずに“透視”した「宇宙線イメージング」とは?
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ピラミッド内部にミュー粒子の検出器を数カ所においてミューオンラジオグラフィの位置決定精度を高めたものを分かりやすい名前で多地点宇宙線イメージングと呼ぶのでしょうか。ミューオンラジオグラフィについては、参考までに別記事でのコメントを再掲します。
https://newspicks.com/news/8173608
『この発見はミューオンラジオグラフィという技術を利用したもので、その原理は素粒子物理学に由来します。
宇宙から地球にふりそそぐ宇宙線(陽子)は大気中の酸素や窒素(の原子核)と相互作用してミューオン(ミュー粒子)を生成しますが、そのミュー粒子は透過性が高く、例えば対象物にふりそそぐミュー粒子の飛来方向分布を計測するとその濃淡で対象物の密度が分かります。つまりミュー粒子の少ない方向にはものがつまっており、多い方向はかすかすで密度がうすいのです。このようにミュー粒子を利用して対象物の内部構造を可視化する技術がミューオンラジオグラフィです(*)。
ピラミッドに降り注いだミュー粒子の飛来方向分布を見るとピラミッド内部の濃淡が確認できます。ミュー粒子の極めて多い場所は空洞である可能性が高く、今回の未知空間の発見はミューオンラジオグラフィ、すなわち素粒子物理学の貢献が大きいのです。
【*参考文献】
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20171106/index.html
注)文献は2017年のプレスリリースですが、ミューオンラジオグラフィの原理は今回のと同じです。』
注目のコメント
掲載された論文はこちらですね。
Procureur, S. et al. Precise characterization of a corridor-shaped structure in Khufu’s Pyramid by observation of cosmic-ray muons. Nat. Commun. 14, (2023).
https://www.nature.com/articles/s41467-023-36351-0
透視できるといってもレントゲンみたいにくっきりはっきり見える訳ではなく。素人目には何が写ってるのか判別が難しい...ピラミッドの新たな発見というのは気になります。
そして新たなテクノロジーによる手法でなく発見、考古学と物理とのコラボレーション。ますます異なる分野との混ざり合いは増えてくるのだなと思いました。
過去にピラミッドの中に入ったことがありましたが、あれは絶対に王の墓ではないと直感的に思いました。内部の空間の精緻さに驚いた記憶があります。