【専門家に聞く】認知症の新薬を知る5つのポイント
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開発が進んだことの最大の背景には、他の治験の失敗から学び、治験の設計を変えてきたことにあると思います。
「レカネマブ」の治験で特筆すべきは、フェーズ2bで、ベイズ統計学をとりいれた治験設計をして、この段階で、10ミリグラム隔週投与が、もっとも効果がたかく副作用が少ないということをしぼりこんだことにあります。
そのおかげで、フェーズ3の1700人規模の治験で、偽薬群と、10ミリグラム隔週投与の群を1対1の比率でわけ、18カ月後の認知機能を比較するというガチンコの勝負ができました。
結局薬としては保険収載されなかった「アデュカヌマブ」のフェーズ3はいくつもの投与量の群にわかれて、さらに遺伝子の型によって細分化されていました。そのため、ひとつひとつの群の数が少なく、説得力にかけたのです。
それ以前はそもそも、ARIAを恐れて、投与量が1ミリグラムといった「レカネマブ」の10分の1の量しか投与できなかったりしたわけです。
昨年治験の結果が出た直後に週刊現代にそのことを書いてありますので、深く知りたい読者はどうぞ。
https://gendai.media/articles/-/100509
岩坪先生は、2000年代の始めにアミロイドベータの中でも凝集性の高いアミロイドベータ42を抗体によって分離するなどの仕事をして、アミロイドを標的とした創薬を始めたデール・シェンクという天才科学者から「若手で有望」と評された(2002年、下山とのインタビューでデール・シェンクが証言)人で、今も最前線にいる研究者です。。話題の認知症治療薬「レカネマブ」。症状を劇的に改善させることはできませんが、、進行を遅らせる効果があると期待されています。それってどういうことでしょうか。アルツハイマー病研究で知られる岩坪威・東京大学大学院教授に聞きました。
「将来的には、健康診断の時に、コレステロールや血圧と並んでアミロイドβも計測して予防的な治療をするということが実現するかもしれません。」
これは期待したい。
今でも、夜中に目覚めることが多く、その間に脳の神経細胞に異常をきたしているのような感じがあって、早期のアルツハイマーにかかっているのではないかという懸念があるから。