白川氏、黒田氏政策を批判「壮大な金融実験」 IMF季刊誌に寄稿
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注目のコメント
黒田時代の方が雇用が改善したではないか、というのはその時の団塊世代退出という人口動態要因と欧米経済の危機対応終了という海外要因を無視し過ぎであり、金融政策との因果関係は薄いと思います。
白川、黒田両体制は国債を買うという意味では大差ないことをやっており、後者はYCCとマイナス金利という点で差異がありました。その差異がどういった市場評価を受けているかは周知の通りです。
この10年の教訓の1つは民意で金融政策を決めてはならないということだったと思います。3月号のF&D拝読しました。今回のIMFのF&Dは、執筆陣を見ても大変気合の入った号だと感じます。
日本ではどうしても日本人の論稿の報道が多くなりがちですが、かつてのIMF調査局長でありいまだにIMF内で尊敬を集めているRajanさんの論稿("Less is More")なども読むに値する内容を含んでいると感じました。
https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/2023/03/Central-Banks-less-is-more-raghuram-rajan
やはり昨年は、2008年のグローバル金融危機以降の金融政策議論が、世界的に大きな転換点を迎えた象徴的な年だったと感じます。過去10年間の政策対応にはさまざまなものが含まれていた訳ですが、それぞれについて議論や評価が今後、サイエンスとデータの目から精緻化されていくことを期待しております。日銀プロパーの元総裁としては、当然の批判ではないでしょうか。
金融緩和こそが万能薬だと日銀批判に終始していた筋が、財政拡張こそ命、と主張を変えています。或いはポリシーミックスだ、と。
結局は静学的なISLMの発想を焼き直しているに過ぎず、その割に流動性のジレンマの理解を恣意的に拒絶してきたように感じます。
落語で言う「葛根湯医者」が「手遅れ医者」になったのかもしれません。