新型コロナの起源、研究所から流出の可能性高いと米当局-報道
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この問題は政治的にはイラクの大量破壊兵器問題と似ていて、現地でしっかり調査できず確たる証拠が出てこず、かえって懸念が高まる構図。ただイラクの時と違うのは政権が冷静なこととインテリジェンス部門の体制。確たる証拠が出てくるまでは「可能性が低い」という評価の分析が出続けるだろう。ゼロコロナ方針転換で中国との人の往来が増えれば未公表の証拠が出てきて分析の精度が高まる可能性はある。
注目のコメント
FBIに続いて、エネルギー省も新型コロナウイルスは中国の研究所から流出した可能性が最も高いという報告書をまとめた。ただし、FBIが「中程度の確度」だったのに対し、エネルギー省は「低い確度」。当初は根拠がないままに陰謀論の一部として語られがちだった研究所流出説が、ある程度の根拠とともに語られるようになったけれど、中国が情報開示に協力しないので、いまも結論が出ていない。
パンデミックの起源を明らかにすることは、次のウイルスへの備えになるので、中国の協力が不可欠だけれど、現状ではとても協力しそうにないし、まして、研究所流出が事実なら、よけいに協力しないだろう。
WSJの元記事はこちら。こういう記事は英語での元記事の方が詳細に書いてあって、日本語訳されたものは短くなっていることがあるし、特に他メディアが一部引用で日本語で書いているものは、情報量が減っているので、元記事を見ることをおすすめします。
https://www.wsj.com/articles/covid-origin-china-lab-leak-807b7b0a?mod=hp_lead_pos1米国エネルギー省は、「中国の研究所での事故を介してウイルスが拡散した可能性が高い」と考えているということです。米国では、他の4つの「調査・諜報部門」は自然感染の結果である可能性が高いと分析し、他の2つは未定としています。.
米エネルギー省は米国の国立研究所のネットワークを監督しており、そのうちのいくつかは高度な生物学的研究も行っています。しかし今回の報道にある「新たな情報」を知りたいと思っても、記事の根拠である「機密報告書」は現時点では公開されていません。
報道の範囲からある程度わかることは、エネルギー省を含む7機関の報告書の結論のベースは「インテリジェンス」と呼ばれる技法によるものだということです。インテリジェンスの構築にはいくつもの手段があります。今回のケースはおそらく時系列分析による関連性の類推が分析の中心で、その結論がそれぞれの分析官によって異なるからだと思います。
リスク管理のために国家が可能性を認識することの重要性は理解できます。インテリジェンスは、クライアント(報告先)が望む意見を報告書に上げることとは異なります。インテリジェンスの基本技法については、最も確からしいインテリジェンスを見極めるために、複数の機関が実施することは有効な手段だと考えられますし、米国はこれを実践しているとされています。