説明がちょっとウザい、だけど人気 三省堂の「辞書LINEスタンプ」はなぜ生まれたのか
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恐らくだが、使えると判断した人の理由の1つが「了解」だろう。
よく言われる「了解」「承知」論争である。
まず、古典的な説から(大学教員としての視点を交えて)先に取り上げよう。この説は三省堂の説とは違うことをまず断っておく。
時代劇で(という説明をするほど、時代劇なんて見たことない、と今なら言われそうな気はするが一応)、御殿様に家来・家臣は「了解です」なんて言いますか?という点である。答えは「もちろん」言わない。「承知致しました。」「かしこまりました。」等を使う。
それは「承知」には敬意は含まれていて、「了解」には含まれていないからである。つまり、了解は同輩・目下には使えるが、上司・(自社の)社長(CEO)・重要取引先(御得意様)等の目上には使えなく、「承知」は目上でも使える。
これは面接官相手でも同様であり、面接官への連絡に了解です、等と用いた際に、「近年では気にしなくなった例も少なくないが」敬語が適切に使えないとして1発アウトの場合もある。
ちなみに学生が大学教員に「了解」は、実は使っても良いが、その意味合いが変わる。上記の説明を借りれば、了解には敬意は含まれないので、受講生・ゼミ生と指導教員の関係など教えを請う立場相手には使えない。ではどういう意味になるか。「私は確かに学生だが、教員である貴方も学生である私も、大学の構成員としては対等であるので、対等として話をします。」という意味合いを含むことになる。
(本当は語学力が弱い私も)ゼミ生がそれで就活に落ちては困るので、実際にそういう風に私も指導したことがある。
これを覆すには、国語辞書という手段は数少ない有益な手段であるが、まさか相手に逐一引かせる訳には行かない。
このLINEスタンプはその困難解消を可能にした。
これは大きな点であり、これが出来ることで、別に敬意を示していないことにはなりませんよ、というのを操作1つでできてしまう。
これは画期的な点であり、こうした点も無視できない所として取り上げる必要があるだろう。この記事では無視されていますが、「お疲れ様」など、今まで否定的に捉えられてきた言葉も、目上の人に使って良いということを示したスタンプだからバズった、ということがあります。
面倒な「日本語警察」を撃退できるわけです。このスタンプは、根拠もなしに主観で語られていた「正しい日本語」なるものが、幻想だったことを示しており、非常に面白いものだと思います。
話題になっているのは、以下の豆知識の項目です。
「了解」:目上に失礼な語と言う人がいるが、以前から『了解いたしました』など、丁重表現として使われる
「お疲れさまです」:二十世紀末から、目上の人にも使うふつうのあいさつとされるようになった
「ご苦労」:本来、『ご苦労さまで(ございま)す』の形で目上にも使える
目上の人に「了解」「お疲れ様です」→問題なし! 三省堂国語辞典のLINEスタンプに反響「こんなのが欲しかった」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d6e78e637a3baa978623829f3b3b70d9d18b32c