(ブルームバーグ): 世界最大級の暗号資産(仮想通貨)交換業者の一つであるクラーケンが顧客への未登録証券の提供で証券法に違反した疑いについて、米証券取引委員会(SEC)が調査している。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

同関係者によれば、SECの調査は進んだ段階にあり、向こう数日以内に和解による決着につながる可能性もある。この案件が公になっていないことを理由に匿名を条件に語った。どのトークンなどが調査を招くきっかけとなったかは現時点で不明。

SECと和解に至った場合、他の暗号資産交換業者にも同様の合意を目指すよう圧力が強まる可能性がある。SECは提供されている仮想通貨の大半について、当局の規則が適用されるべき証券だと繰り返し指摘してきた。

SECのゲンスラー委員長は昨年12月にブルームバーグに対し、暗号資産交換業者がSECに登録するための時間はなくなりつつあると語っていた。

クラーケンとSECはいずれもコメントを控えている。SECの調査が強制措置に至らないこともあるが、企業・個人が制裁金などを科されることもある。

コインマーケットキャップによると、サンフランシスコを拠点とするクラーケンは世界で1日に約6億5000万ドル(約860億円)相当の取引を扱う業界3位の暗号資産交換業者。同社ウェブサイトによれば、185余りの仮想通貨をサポートしているとされるが、そのうちのどれだけを米顧客が取引できるのかは不明。

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原題:Crypto’s Kraken Embroiled in Probe Over Unregistered Securities(抜粋)

--取材協力:Lydia Beyoud、Austin Weinstein.

(3段落目以降に情報を追加して更新します)

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