[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は8日、コアインフレ率上昇が5月までに緩和されなければ、ECBは大幅な利上げを5月まで実施する可能性があると述べた。

MNIマーケットニュース主催のオンラインイベントで「基調的なインフレ圧力が実質的に緩和されない場合、5月まで現行の利上げペースを維持することは十分正当化できる」と指摘。「基調的なインフレ動向に明確かつ決定的な変化が見られれば、より小幅な措置に移行することになるだろう」とした。

また、総合インフレはピークに達した可能性が高く、ECBが昨年12月に発表した見通しよりも早く低下する可能性があると言及。供給上の制約が緩和されたことにより財のコアインフレ率が低下し始める可能性がある一方、サービスのコアインフレ率は賃上げによって一段と上昇する可能性があると警告し、「賃金に関する先行指標は2023年に賃金がさらに上昇することを裏付けている」とした。

成長鈍化に関しては「予想よりも浅く短いようだ」とし、「2022─23年の冬季にリセッション(景気後退)に陥ることはなく、テクニカルリセッション(2四半期連続のマイナス成長)もない」とした。