[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツの2022年の財(モノ)の貿易相手国で中国が7年連続の首位となり、両国間のモノの貿易額が前年比約21%増の約2980億ユーロ(3200億ドル)と過去最高になった。ドイツ連邦統計庁が8日、ロイターに初めて示したデータで分かった。

ドイツでは中国との貿易に過度に依存することの政治的なリスクを警告する向きが出ている。

中国からのモノの輸入額は約1910億ユーロと、33%超増えた。一方、モノの対中輸出は約1070億ユーロと3.1%の伸びにとどまった。

ドイツのモノの対中貿易赤字は約840億ユーロとなった。

ドイツの政治家や科学者からは、社会と政治での自由に対する考え方が極めて大きく異なる両国が一部の分野で相互依存関係にあることに警鐘を鳴らす声が出ている。

ドイツ経済研究所(DIW)で世界経済部門を率いるルーカス・メンホフ氏はロイターに対し「大きな問題は、よりクリーンなエネルギーや輸送への移行に必要な重要な原材料の調達でドイツが中国に依存していることだ」と指摘した。

ドイツは、バッテリーや半導体、電気自動車(EV)の磁石に欠かせないレアアース(希土類)の約3分の2を中国から輸入している。