[ロンドン 8日 ロイター] - 英シンクタンクの国立経済社会研究所(NIESR)は8日、英国経済は2023年に景気後退(リセッション)を回避できるが、インフレ高進に伴い国民の生活水準は大きく悪化するとの見通しを示した。

今年の国内総生産(GDP)伸び率は0.2%と予想し、昨年11月時点での予想値(0.7%)から引き下げた。24年も1.7%から1.0%に下方修正した。

23/24会年度には、英国の4世帯に1世帯が貯蓄を使い果たすか借り入れをするなどしなければ食料や光熱費の支払いができなくなると指摘。そうした状況に陥る世帯の割合は今年度の5世帯に1世帯から増えるとの見方を示した。

実質所得については、全体の約10%を占める最貧困層は社会保障給付金がインフレに連動しているため、これまで実質所得はほとんど減少していないが、中所得層は22/23年度の実質所得が最大13%、4000ポンド(4800ドル)減少するとの見通しを示した。