ドローンも人工衛星もあるのに、なぜ中国は「スパイ気球」を使ったのか?
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たびたびニュースになりますが,HAPSというプロジェクトが世界で進んでいます.High Altitude Platform Station(高高度プラットフォーム),あるいはHigh Altitude Pseudo Satellite(高高度擬衛星)の略です.高度20kmの成層圏をほぼ定点で数週間から1年以上の長期間に渡って滞空できる飛行体の開発です.航空機が飛行する最高高度20kmから人工衛星の最低高度200kmまで,空はガラガラです.
HAPSは,通信基地局,衛星通信中継,台風など気象観測,防災・減災,進行性災害のリアルタイム連続監視,観測・監視(偵察)などに貢献できます.人工衛星だと地球を周回するので同じ場所に留まることができません(だからStarlinkのような群衛星の開発が進むのですが).人工衛星より高度が低い(1/10以下)ので,精度も上がります.
https://newspicks.com/news/6608561?ref=user_2112738
固定翼機タイプのエアバス
https://newspicks.com/news/6582399?ref=user_2112738
ソフトバンク(結構本気だと,最近,わかりました)
https://newspicks.com/news/5851095?ref=user_2112738
が代表で,中国でも開発されています.
https://newspicks.com/news/7524272?ref=user_2112738
高効率な太陽電池パネル,バッテリーなどの電動化技術が必須ですが,成立性はギリギリなので(だから研究になるのですが),飛行船・気球タイプの研究もあります.日本は20年前に,成層圏プラットフォームという研究を進めていましたし,GoogleのLoonがありました.
https://newspicks.com/news/4094264?ref=user_2112738
しかし,Loonは経済性と技術的な問題で2年前に解散しました.
中国も,上で示した固定翼機タイプに加え,気球タイプの研究開発も行っているということでしょう.民間の研究が軍事的なそれを丸めた形で表に出てきているとすれば,「スパイ気球」がすでに存在するもあり得るでしょう.風船爆弾って、私が子どもの頃(40年前くらい)は、日本はこんなお馬鹿なことをやってました、と竹槍と並べて教えられていた記憶があるのですが、風を読んであの時代に米国まで飛ばせるとは、先人たちはすごいな、と思ってました。