トルコで大地震【最新情報】隣国シリアも被害 死者計3700人超
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トルコにおいてはアナトリアプレートという小さなプレートと、北はユーラシアプレート、東はアラビアプレート、南はアフリカプレート、西はエーゲ海プレートといろいろなプレートのおしくらまんじゅうになっているのが特徴で、このプレート境界にそれぞれ断層があり日本と同様に地震の多い国として知られています。M7.8というのはトルコでも1939年に同じ規模の地震が発生して以来の大地震となりました。
今回は南東側のアラビアプレートとの境界部分の東アナトリア断層という大断層帯で発生した地震です。アラビアプレートがトルコ側にあるプレートを南から押しているために、プレート境界部分で横ずれ型の地震が発生しやすくなっており、米国西海岸のサンアンドレアス断層や、日本の中央構造線と似たような場所となっています。現地時間の6日未明に発生したMw7.8の地震は横ずれ型の典型的な発震機構を示しており、こうした事実と整合的です。
いっぽうで現地時間の6日午後に発生したMw7.5の地震についてはこのプレート境界からは北に100kmほどずれた場所で発生しており、アラビアプレートとの境界部分ではなく、地中海側にあるアフリカプレートとアナトリアプレートの境界部分で発生した地震であると考えられます。こちらも発震機構は横ずれ型と出ており、既知の断層の走向と整合的です。
おそらくは未明の地震により北側に動いたアフリカプレートがアナトリアプレート側に圧力をかけるような形となり、これを解消するために断層が動いて地震となったと考えられます。日本でも東日本大震災の直後に長野県北部でM6.7の地震が発生しましたが、プレートや断層による地殻変動により他の断層に影響して地震を誘発することが知られています。
日本においてはM7台後半の大地震が陸上の断層によってもたらされた例はほとんどなく、1891年の濃尾地震(M8.0)くらいしか例はありません。また余震域は東アナトリア断層に沿って200km以上に及んでおり、プレート境界型の地震の威力をまざまざと見せつけるような形となっています。
トルコだけでなくシリア側でも被害が発生しているとのことで、国際的な支援体制を構築することが必要と考えます。救助の専門知識を持つ東京消防庁の隊員が、国際消防救助隊として現地に派遣されました。
建物の倒壊が多そうで、下敷きとなった生存者の捜索などを、特殊な機材を使って行うことなどが期待されます。
トルコは最西端のイスタンブールが最大都市ですが、滞在したときの記憶では全国的に高速バス網が充実していた印象です。メルセデスや日本の日野自動車製の大型バスがかなりの本数運行されています。それだけに道路のダメージ状況が、今後の救援物資の運搬や復旧活動のカギとなるのではないでしょうか。ハイチ大地震では自衛隊の医療チームが、国際救助活動の枠組みで現地入りしましたが、時間の経過次第では、DMATなど医療ケアの支援も必要になると思います。(追記)先ほど、マグニチュード7.5の余震(?)が起きました。
救助活動中に起きた余震。トルコ、ディヤルバクル市
https://twitter.com/GabrielCSGavin/status/1622547414799220741
被災地は、空港が使用できなくなっていたり、
https://twitter.com/BNODesk/status/1622486015280644096
基幹病院が全壊していたりして、
https://twitter.com/no_itsmyturn/status/1622541112375144448
救助も困難を極めます。
トルコ南東部地震 東京消防庁隊員が国際消防救助隊として派遣
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230206/1000089434.html
被災地のトルコ、ハタイ県
https://twitter.com/onlyGBA/status/1622538260919599108
トルコ、イスケンデルン市
https://twitter.com/Joyce_Karam/status/1622476905541681155