国内開発のmRNAコロナワクチン、第一三共が初の工場
日本経済新聞
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第一三共は、日本で使用されているインフルエンザワクチンの製造を長年になってきた北里研究所のワクチン事業部門を合併して子会社化していました。この部門は新型コロナウイルス感染症流行よりも前の2019年に「第一三共バイオテック」として子会社化し、ワクチン、バイオ関連医薬品、治験薬等の受託製造などを担っていました。日本で長年季節性インフルエンザワクチンを製造している企業の1社です。
当時は、国策としてのワクチン事業が縮小を続け北里研究所の経営に影響することが予想されるため、ワクチン事業の継続には資本増強が必要という考え方だったと思います。一方、ワクチンの研究開発、製造販売承認、流通業務は「第一三共(親会社)」が担当することになりました。
第一三共バイオテックがmRNAワクチンの製造設備を有することにより、当面は(1)他社が研究開発に成功したワクチンの国内製造を受託することができ国家のリスクマネジメントつながります。また、(2)第一三共自身のmRNAワクチンの治験薬の製造を自社で行うこともできます。将来、(3)第一三共がmRNAワクチンの研究開発に成功した際には自社生産が可能になります。このうち現在の主目的は(1)で、政府の意向が強く影響しているはずです。