[ニューデリー 3日 ロイター] - インド議会は3日、不正会計疑惑が指摘された財閥アダニ・グループについて審議するものの紛糾し休会となった。疑惑浮上で株・債券が急落し、グループ中核企業が公募増資を撤回するなど混乱が続き、金融システム全体への影響が懸念されている。

政界では、アダニ問題へのより広範な調査を求める声が上がっている。関係筋によると、インド準備銀行(中央銀行)は銀行にアダニへのエクスポージャーの報告を指示した。

両院議会はこの日、アダニ問題を取り上げたが、一部議員が議事を妨害して混乱したため休会となった。

格付け会社ムーディーズは3日、株価急落がアダニ・グループの資金調達能力に悪影響を及ぼす可能性があると指摘。一方、フィッチは、今のところグループの格付けへの影響はないとの見解を示した。

連日、大量の売りを浴びていたグループ企業株は一部が持ち直した。中核企業のアダニ・エンタープライゼズは35%下げる局面もあったものの切り返し1%超上昇。アダニ・ポーツは7.87%高。半面、アダニ・トランスミッションとアダニ・グリーン・エナジーは10%下落した。

仏トタルエナジーズとの合弁会社アダニ・トタル・ガスも5%下落。トタルエナジーズは3日、アダニ・グループへのエクスポージャーは限定的だと説明し、アダニ・トタル・ガスおよびアダニ・グリーン・エナジーへの出資の再評価はしていないと表明した。