[30日 ロイター] - 米フィラデルフィアの連邦高等裁判所は30日、医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がベビーパウダー訴訟に対処するため設立した子会社による連邦破産法11条の適用申請を退ける判断を示した。

訴訟を本体から切り離し、分離後の事業について破産手続きを進める同社の戦略が頓挫した。

J&Jはベビーパウダーやその他のタルク(滑石)製品ががんを引き起こしたなどとする原告による3万8000件以上の訴訟を抱えており、新設した子会社が破産申請していた。

破産裁判所の記録によると、J&Jは破産申請前の時点で訴訟の判決や和解に伴い35億ドルの支払いに直面していた。

同社は子会社の破産について、誠実に開始した手続きであり、全ての原告の利益のために訴訟を公平に解決することが目的だと主張した。

だが、連邦高裁はJ&Jが子会社を設立したのは経営難に陥ったためではなく、破産制度を利用することだけが目的だったとし、同社の主張を退けた。

J&Jは上訴する意向を示すとともに、自社のタルク製品の安全性を改めて強調した。