[オークランド(米カリフォルニア州)/バンガロール 27日 ロイター] - 米半導体大手インテルは、弱い第1・四半期業績見通しが市場に衝撃を与える中、今年中にバランスを回復すると表明した。

同社は26日、第1・四半期が赤字となる見通しを示した。パソコン市場の低迷やデータセンター向けの減速が重しとなっており、市場予想を下回る低調な業績見通しを受けて株価は時間外取引で9.5%急落した。

売上高予想は約105億─115億ドル。アナリスト予想平均は139億3000万ドルだった。パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は説明会で「われわれはつまづいた。シェアを失い、勢いがなくなった。今年は安定すると想定している」と述べた。

調査会社IDCの計算では、インテルは依然としてパソコンとサーバーの処理用半導体市場を支配しており、市場シェアは70%を超えている。しかし、2017年の90%以上からは低下している。

競争相手はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)。同社は破綻の危機から持ち直し、四半期毎にインテルのビジネスを奪っている。AMDの時価総額はインテルとほぼ同じで、これはAMDの成長見通しに対する投資家の信認の表れだ。

IDCのアナリストは、インテルは半導体の供給過剰でより大きな問題も抱えていると指摘。「インテルはまだシェアを回復できる状態にはないと思う」と述べた。

ゲルシンガーCEOは、23年は安定した後に再加速する年になると予測。いくらか痛みを伴うステップを踏み、今は良い計画を実行する必要があると語る。

フォレスター・リサーチのアナリストは「インテルの好転は経済情勢を受けて時間がかかっているが、計画はうまくいっていると思う」と指摘。「新製品を推進しているほか、他の半導体メーカーがインテルの製造能力活用で合意し、製造が活発化している」と述べた。

一方、AMDは31日に決算を発表する予定だ。