MUFG関常務、日銀の出口戦略は来年度上期中にも-条件整えば
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「昨年12月までに保有する円建て債券の一部を『その他有価証券』から、時価評価の対象とならない『満期保有目的債券』に振り替えた」、「すでに円金利の上昇に対する耐性を高めたポートフォリオ運営を実施している」 (@@。
異次元緩和の初期にメガバンクとして初めて、そして唯一、三菱UFJ銀行がプライマリーディーラーの地位を返上し、異次元緩和への抵抗だ、いや三菱UFJモルガン・スタンレー証券がプライマリーディーラーに残っているからそういう訳じゃない、と物議を醸した三菱UFJフィナンシャルグループの市場事業本部長が予測と具体的な動きを示したということですね。
2年と期限を切って達成しなければ辞任するとまで言い切った副総裁と共に始めた異次元緩和が10年続き、禁じ手である長期金利のコントロール(YCC)にまで手を出してなお本来の目的を果たせず、遂に財投債を含む長期国債の半分以上を日銀が買い占め、イールドカーブが大きく歪んで投機筋に狙い撃ちされている状況です。
昨年12月に打ち出したイールドカーブの修正策は投機筋の勢いを更に強める結果になってイールドカーブが一段と歪み、遂に日銀は共通担保資金供給オペを捻じ曲げて使う形で身銭を切って低利長期の資金を供給し、いわば傘下の銀行に国債を低金利(≒高価格)で買わせるところまで来ています。
我が国のインフレ率が低く収まっている限り日銀は国債を買い続け資金供給を続けることが出来るでしょうが、万が一にもインフレが高止まりして物価を抑えざるを得なくなった途端、こうした政策が行き詰って溜まった歪が逆回転を始めるのは必定です。無理に無理を重ねて随所に歪が溜まっているだけに、そうした状況に陥った時のインパクトは大きそう。
「条件が整えば来年度上期中にも出口戦略を進める可能性がある」とのことですが、条件が整って日銀が自律的に政策を修正することが出来れば良いですが、インフレと市場の圧力に押される形で政策を修正せざるを得なくなったら大変です。金利上昇に備える必要は、三菱UFJフィナンシャルグループならずとも、確かに高まりつつあるのかも (・・;