[ロンドン 24日 ロイター] - S&Pグローバルが24日発表したユーロ圏の1月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.2と前月の49.3から上昇し、好不況の分かれ目となる50を昨年6月以来初めて上回った。

ロイターがまとめた市場予想の中央値は49.8だった。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「(ユーロ圏の)リセッション(景気後退)が懸念されていたほど深刻ではなく、回避できる可能性もあることが示された」と歓迎した。

コメルツ銀行のクリストフ・ウェイル氏も「ユーロ圏経済が景気後退を避けられるとの期待が高まるだろう」と指摘。しかし経済環境の明らかな悪化は、少なくとも穏やかな景気後退になることを依然として示唆していると述べた。

雇用指数は12月の51.9から52.5へ上昇し、3カ月ぶりの高水準となった。企業が採用を一段と積極化していることを示している。

サービス業PMIは50.7と市場予想(50.2)を上回り、6カ月ぶりの高水準となった。前月は49.8だった。

生活費の上昇にもかかわらず需要の低下は限定的で、新規事業指数は48.4から49.8に上昇し50に迫った。

しかしウィリアムソン氏は「ユーロ圏はまだ困難を脱したわけではない。需要は引き続き減少しており、減少ペースが緩やかになっただけだ」と指摘した。

製造業PMIも改善した。前月の47.8から48.8へ上昇し、市場予想の48.5を上回った。

総合PMIに反映される生産指数は49.0と7カ月ぶりの高水準を記録した。前月は47.8だった。

サービス業と同様に投入価格指数も低下したが、産出価格指数は61.2から61.4へ小幅上昇した。ただ過去3年間の平均を大きく下回っている。

キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニンガム氏は「PMIは物価圧力がなお強いことを示している」と述べ、欧州中央銀行(ECB)が近く金融引き締めの手を緩めることはないとの見方を示した。