IST、日本初の民間大型ロケット「DECA」開発を表明--打ち上げコスト10分の1狙う
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以下,公式ホームページ.
https://www.istellartech.com/news/press/6011
思ったことをいくつか.
文科省「革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会」によると,
https://www.mext.go.jp/content/220707-mxt_uchukai01-000023863_2-1.pdf
H3ロケット後,「基幹ロケット発展型」と「高頻度往還飛行型」の両方の開発があり,後者は,目標はH3ロケットの1/10以下,民間主導による開発・実証で進めるとある.インターステラテクノロジズはそういった国の政策に沿い,公的な支援を得るために,コスト1/10の再使用型の計画を出したと思われます.これまで最安価な使い捨て型ロケットを開発することを目指してきた方針を転換したようです.
打ち上げコスト「10分の1」というのは,たびたびコメントしてきたように
https://newspicks.com/news/3060670?ref=user_2112738
ロケット開発における「死の谷」であり,過去の開発はこれを超えられずにいます.ここで10分の1というのは,単位打ち上げ重量に対するコストです.前述のコメント,インターステラテクノロジズの公式ページにもあるように,H-IIAもイプシロンも1Kgのペイロードを打ち上げるのに100万円以上をかけていますが,これが10万円台と1桁減ると,宇宙ビジネスは次の段階に進みます.そういう意味の「打ち上げコスト10分の1」です.
1段のフェアリングの中に2段目を入れるのですね.それでフェアリングも回収する.面白い.
グリッドフィンで空力制御しながら降りてくるのか.Falcon 9と同じですね.このグリッドフィンのマッハ数,気流速度に対する効用を調べないといけない.
まずはZEROを上げて見せてください.
注目のコメント
稲川くんのnoteに書いてある通りで小型ロケットは完全に使い捨て型に優位です。大型ロケットにおいては再使用はコスト面では若干優位、どちらかというと打ち上げ頻度で優位性があるという感じでしょうか。ただエンジンの量産化によるコストメリットは使い捨ての方が沢山作れるので優位かもしれません。
> コスト削減のためロケットの1段目は再使用型とする。
以前、稲川さんはSpaceXの第一段再使用はペイしないというような分析をしていたと記憶しています。方針転換?あるいはなにか新しいアプローチ?4枚のグリッドフィンは少なくとも外見はSpaceXのロケットと似ているように見えます。
あと、絵から想像するに、フェアリングの中からマトリョーシカみたいに第二段がでできて、フェアリングは投棄せず第一段と一緒に回収する感じでしょうか?ならばRocket LabのNutronと同じアプローチですね。正直、後追い感は否めませんが、まあ「凡人は模倣し天才は盗む」という言葉もあり、最終的に勝てばそれでいいのかもしれません。アメリカもソ連もロケット技術をドイツから盗んできたわけですし。
追記
あった、これです。
https://note.com/ina111/n/nf78cf6cff393
稲川さんは「再使用に反対」と書いている。もちろん結果はパラメーター依存度が高いのだけれども、ロジカルな分析だったと思う。ここからどういう経緯でこのロケットの設計に至ったのか、興味がある。
追記2
土屋先生のコメント見て納得。しかし国のプログラムは民間委託するなら性能・コスト要求を指定するにとどめるべきで、工学的アプローチ(再使用か使い捨てか)を縛るのはいかがなものか。もしかしたら昔稲川さんが言ってたみたいに、ポンポン使い捨てる方が本当に安いかもしれないし。