【実践】陰謀論に惑わされないために、今日からできること
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選挙結果が僅差かどうか、というのは、陰謀論者が増えるのとは、おそらく関係ないです。
ナチスみたいな一党独裁の政権でも、政府を挙げて陰謀論を唱えているようなものでした。
北朝鮮なども、政府の公式見解からして、陰謀論としかいいようがない(つまり現実逃避の)内容が大きな部分を占めます。
だいたい、中東やアフリカ、パキスタンあたりの人々は、多かれ少なかれ、だいたいが陰謀論者です。ユダヤ人が米国や世界を操っている、くらいのことは大多数が信じているし、新型コロナウィルスもワクチンも「世界を動かす闇の集団」の陰謀、くらいのことは、大真面目で話します。
人はなぜ陰謀論者になるかというと、そう説明しないと、現実を直視しなければいけなくなるからです。
北朝鮮などは、現実を直視すれば、どう考えても不合理な体制を取り替えるべき、ということになるので、何か巨大な陰謀から金家と朝鮮労働党が戦っている、ということにしなければ正統性を説明できません。
ロシアもウクライナでナチスやNATOと戦っていると主張しているし、イランもユダヤ人の国際陰謀や米国の世界支配の陰謀と戦っている、というのが政権の正統性を維持する公式見解です。
一部の特権層の権益を守るために何百万人もの人々を犠牲にする体制、というのは直視しがたい現実です。
先進国も、心理的にはけっこう大変なことも多いので、陰謀論にすがる人々はいます。
米国の製造業が衰退して自分が失業するのは中国の方が競争力が高くなった結果だ、とか、技術の進歩が自分が長年磨いてきたスキルを不要なものにしてしまうとか、あるいは個人的な家庭の不運とか、直視したくない現実というのは、先進国でもあります。
人は、自分にはどうにもできないことが起きている時、現実逃避して、陰謀論にすがります。技術の進歩とか、為替相場とか、そんなことをいわれてもどうしようもないので、闇の勢力とかのせいにします。
政治に関心を持っているかどうかとかは、関係ないでしょう。政治参加しようがしまいが、現実は降りかかってくるので。
陰謀論というのは、一種のセラピーなので、そこしか逃げ場が無い、現実になど立ち向かえない、ということはあります。しかし、アヘンのようなセラピーなので、余裕があれば現実を改善した方がよいです。人はなぜ陰謀論を信じてしまうのか。
出口治明さんが呉座勇一著『陰謀の日本中世史 』の書評でこう書いていました。
「人はなぜ陰謀論を信じるのか。それは『単純明快で分かりやすく』、『歴史の真実を知っているという優越感を抱ける』からであり、インテリほど騙されやすいのである。その点、陰謀論は疑似科学に似ている」個人的に、去年呼んだ洪の中でもとても印象に残っているのが秦正樹先生の『陰謀論』でした。なかなか社会の中で可視化されることのない「陰謀論者」について、様々なデータを元に論じていて、とても興味深かったです。たとえば、日本には陰謀論を信じる人が20〜40%の割合でいる、SNS(Twitter)の利用頻度が低いとむしろ陰謀論的信念が弱まる、といったものです。自分の印象とは真逆のものばかりで面白かったです。
そんな秦先生にインタビューしました。日本で陰謀論を背景にした事件が起きる可能性はあるのか。自分が陰謀論に引っかからないために出来ることは。是非ご高覧ください。