NZ首相辞任報道で性差別 BBC、誤り認める
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この報道後のBBC「Asia Business Report」をリアルタイムで見ていました。日本語の報道の「突如辞意表明」みたいなトーンよりは「Not surprising」という感じでしたし、女性だからとか子育て中だからどうみたいな話もなく(お子さんの小学校がどうというのはチラッとでてきましたが)それよりはこれまで首相というエネルギーがいる仕事に全力を割いてきた、という感じでニュートラルに伝えていたと思いますが。記事にする段階で誰かの判断でこういう見出しが入ってしまったのですかね。十分チャレンジをされて、世界の女性や子育て中の人たちに勇気を与えてくれ、すべてを手に入れたか入れていないかとかそういうことではなく、期間中ベストを尽くされたのではないかと思います。
性差別的だと指摘を受けて変更となったBBCの見出しは、"Can women really have it all?(女性はすべてを手に入れることができるのか)"でした。
なぜこの表現が出てきたのかと気になって調べてみたところ、元ネタと思しき記事を見つけました。
2012年にアメリカの元国務省高官のアン・マリー・スローター教授が、The Atlanticに寄稿した"Why Women Still Can’t Have It All"という論文です。
●原文
https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2012/07/why-women-still-cant-have-it-all/309020/
●日本語訳
https://courrier.jp/news/archives/77602/
ちなみに、こちらをベースにしたスローター教授のTEDもすごく良かったです。
(日本で今まさに必要な議論が10年前からあるという…)
https://www.ted.com/talks/anne_marie_slaughter_can_we_all_have_it_all
アーダーン首相は、職務と家庭との両立を理由に辞任を表明したわけではないので、BBCが誤りを認めたのは当然の流れだと感じます。
それとは別に、女性も男性も仕事と家庭の両立が困難という現状は変わらずあります。"have it all"のための議論からは目を背けずにいたいです。