高性能チャットボット「ChatGPT」を支える“劣悪な労働搾取”を米誌がスクープ
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ChatGPTはこれまでのチャットボットが陥りがちだった問題に非常に上手く対処し、倫理的・道徳的問題の少ない結果を出力することに成功しています。AI倫理の専門家や、本記事に書かれているような労働の結果として有用性と安全性において段違いに高いレベルの結果を出したことはすでに高く評価されています。
有害な情報の検閲はこれまでもFaceBookなどのソーシャルサービス上の表示コンテンツのモデレートのために実施される中で本記事と同様の過酷な仕事内容が指摘されてきたわけですが、サービス提供側もより多くのユーザーがこのようなコンテンツに触れることのないよう各社が腐心してきた経緯があります。このような仕事を減らしたいのはサービス提供者や検閲作業の従事者全てが願うところでしょうし、そのこと自体にAIが活用され、自動化が進められているものの、人間のラベル付けがなければ始まらないのが現在の技術的課題です。この作業をいわゆる教師なし学習で実現することができれば人間に対する負担を大きく減らせるのですが。
この記事においては、ケニアにおける最低賃金の情報なく時給2ドル＝搾取という一面的な指摘に疑問を感じます。オンライン検索の情報ですが、ケニヤの月間最低賃金は121ドル(https://take-profit.org/en/statistics/minimum-wages/kenya/) とあり、ひとえに搾取とは言えないのではないでしょうか。
注目のコメント
サマはケニアを中心にAIのアノテーションを行ってきた企業です。記事にあるようにメタやマイクロソフトなどの仕事をアウトソーサーとして請け負ってきました。今回契約を打ち切ったことはこちらでもニュースになっています。
時給2ドルは、ナイロビでパソコンやモバイルを操ってする仕事としては、低いように思います。地域と職種によって最低賃金が決められていますが、時給2ドルはドライバーの最低賃金で、レジや商用車の運転手の場合の最低賃金が2.5ドルです。相場だと、たとえばオフィスの受付の人でその倍くらい。通常のアノテーションは2～3ドルだったとしても、キツイ画像を見せられるなら、時給4ドルくらいはあっていいように思います。もっとも、委託する方は安い大量の労働力がほしいからケニアに発注しているわけで、その兼ね合いなわけですが。
追記:
元記事を読んでみると、最低保障が1.3ドルで、熟練が2ドルみたいですね。
サマはずっと、途上国に仕事を作り出し、訓練をする、エシカルなソーシャルインパクトを生むアウトソースとして、絶賛されてきました。コールセンターやエンジニア同様、AIアノテーションは、アウトソースにより途上国で仕事を作り出せる有望な分野ですから、有害コンテンツ作業に対する策を講じて（賃金ももう少し上げて）、工夫して継続してほしいところです。
https://time.com/6247678/openai-chatgpt-kenya-workers/以前TikTokの検閲についても同様の問題が報じられていましたがどのプラットフォームでも当然同じ話は出てきますよね。テキストなのでchatGPTでは問題が起きづらいのかと思っていましたが、ダメージの受け方はやはり人によるというところでしょうか。
検閲役に従事する前にこの辺の耐性の強さをある程度測定したりできないものですかね。
