注目集まる大学発スタートアップ、20年前の「1000社計画」時代と何が変わったか
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学生時代に「大学発ベンチャー1000社計画」が発表され、私自身の研究対象でもありました。当時は「活動を教員個人に任せていた」というのは事実で、多くの大学発ベンチャーが研究の延長線上で会社のビークルが活用されていたというのが一つの発見でした。そのためVCからの資金調達も厳しく、会社として存続するがなかなか成果が出なかったというのが一つの結論なのかなと感じています。
その後、数から質の転換と言われるようになり、大学VCが設立されたわけですが、大学VCの役割として資金に加えて、経営人材や事業開発人材とのマッチングの必要性も出てきています。その意味では慶応義塾とビズリーチとの連携にはすごく期待しています。
注目のコメント
大学初スタートアップに外部のビジネス人材の協力が必要なのは明らかです。大学の研究者の中には、もちろんビジネスにつながる可能性のある画期的な研究をしている人がいるが、研究者がやりたいやり方でビジネスが立ち上がることは稀です。多くの場合、研究成果は研究者が想定していなかった形でビジネス化される。ビジネスとはそういうものです。そのプロセスで研究者が反発して怒り出すことや、事業立ち上げに関わる意欲を失うこともあります。それを乗り越える力が、ビジネス人材には求められるわけで、そこがうまくいかないとスタートアップは、その立ち上げの段階で崩壊します。あとは、会社の設立登記や、社員の採用、モチベーション管理、オフィスの確保などのいわゆるブルシット・ジョブが必要で、多くの研究者は、そうした仕事が苦手です。むしろ、それゆえに彼らはクリエイティブな発想に基づく研究をすることが出来ている、と私は思います。
「客員起業家」が客員のままでいたら、物事はさきに進まない、ということです。どこかのタイミングで、頭の切り替えをしてリスクをとってフルコミットし、研究者と客員ではなくほんとうのパートナーになって彼らをグリップする力を獲得する必要があります。
これは私自身の経験ですが、多くの大学発スタートアップに共通することだと思っています。