XBB.1.5は、オミクロンBA.2から派生してきたウイルスです。現時点でわかっていることとして、過去の変異ウイルスの中で最も免疫逃避の能力が高い可能性、人の細胞へ結合する能力が高いことから、感染・伝播性も高い可能性が指摘されています。

実際、米国では２週間程度で全体の40%以上がXBB.1.5に置き換わり、一部地域ではすでに70%程度まで達しています。それに伴い、そうした地域では感染者数、入院患者数も増加傾向です。

病毒性の変化については分かっていませんが、重症患者が急増するというような変化は今の所見られていません。また、ワクチンの効果にどの程度の影響があるのかも分かっていないものの、オミクロンから派生したものであり、依然としてオミクロンに対応した二価ワクチンの接種は十分意義があると考えられています。

これから２月にかけて日本にもこの変異ウイルスが次々と流入してくることが予想され、感染者数増加に影響を与えるかもしれません。免疫逃避能が高いことから、再感染リスクも高まるでしょう。予防策として、２価ワクチンを未接種の方はその接種を受けておく、また、感染者増加が見られる間は、マスク（特にKN95やN95）や換気も変わらず有効な感染予防策になると考えられます。