(ブルームバーグ): 米国最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者コインベース・グローバルが日本事業の大半から撤退する方針で、ほとんどの従業員を解雇したことが11日分かった。米本社は10日、相場の低迷で従業員の約20%に相当する950人程度の削減を発表していた。

国際・事業開発担当バイスプレジデントのナナ・ムルゲサン氏がインタビューで明らかにした。「日本の顧客資産の安全性とセキュリティーに関する懸念がないように、少数の中核となる現地従業員が残っている」という。 

ムルゲサン氏は、日本法人代表の北沢直氏が監督当局との協議と移行業務に携わっており、当局との協議後に次の対応が確定するだろうと説明した。コインベースが日本事業の売却を試みるかどうかについてはコメントを控えた。

ムルゲサン氏のインタビューに先立ち、同社の広報担当者は日本法人でも人員削減を行っているとし、現在、日本の規制当局と緊密に協力し、スケジュールを調整していると文書で回答。日本事業については、あらゆる選択肢を慎重に検討しているとしていた。

共同創業者のブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は10日のブログへの投稿で人員削減について、業界全体の不振を乗り切るために必要な措置だったと説明していた。同社は昨年6月に従業員の18%相当の1200人程度の削減を発表。同年11月にはさらに60人を削減した。

日本法人は2016年に設立され、関東財務局で暗号資産交換業の登録を受けている。21年に個人向けサービスを開始し、資本提携先の三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ銀行と決済などで連携していた。

--取材協力:木下晶代.

(情報を追加して全体を更新しました)

More stories like this are available on bloomberg.com

©2023 Bloomberg L.P.