【新発見】たった1個の細胞が解き明かす生命の謎

遺伝のメカニズムは、単純に「要不要論」とか「自然選択説」で割り切れない複雑なモノなのでしょうね。

現段階で判明していることは、遺伝情報はDNAだけでなく染色体に含まれるエピジェネティクスほかの物質もある、ということですね。

獲得形質＝父母の経験によりタグや変異が起こるのか、はたまたランダムにタグ付けされるのか、は今後の研究が期待されます。理化学研究所のショウジョウバエの赤目についても、すでにプログラミングされた遺伝的形質の可能性がある点については、議論が必要でしょう。また注目している遺伝形質が、これまた注目している単一の遺伝子による表現型であるという条件が確定しているようにも思えないため、慎重な検討が必要ではないでしょうか。いずれにせよ、ここが研究の醍醐味で、こういった考察が楽しく、次の研究をうむ原動力になりますね。

>20世紀初頭、オーストリアの生物学者カンメラーは、カエルの研究で獲得形質が遺伝することを証明したと主張しました。
>カンメラーを祭り上げたのは、ソビエト連邦でした。獲得形質の遺伝は、当時のソ連の社会主義的イデオロギーに結びついて、政治的に利用されてしまったのです。

かつて、F.ゴールドンが、進化論を拡大解釈し、「優生学」を押し広げました。これは、優れた遺伝子を人間という集団に広げるため、人為的な自然選択（子供を作るべきではない人を決める）を合理的とする考えです。今や、ほとんどの社会では受け入れられていない考えですが。

このように、生命科学は多分に物語性をはらんでいるために、特定のイデオロギーに活用されて、純粋な科学でなくなってしまう点は注意が必要だな。改めてそのように思いました。

今、”人”のためにできることが、もっとある希望。

１個の細胞レベルでの研究が、新たな発見につながる
少なくとも（母）親の獲得した何かが、子に引き継がれている
ダーウインの時間が解決する、で思考停止にならず、
これからの研究にとても期待したい。