徴用工賠償「日韓双方の寄付で肩代わり」 韓国側が解決策を最終調整
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アジア女性基金の経緯も踏まえると、現時点での合意が後の韓国の政権によって修正や否定をされないかどうか。仮に、「寄付で肩代わり」という形で決着した場合でも、将来にわたって修正がされないこと、また、将来にわたり解釈が変更されないことなどまで合意が必要と思われます。
加えて、アジア女性基金では韓国側の支援団体が後になって大きな不満を示したこともあり、今回は、事前に支援団体を始めとした世論形成をするよう、韓国側に要請する事も必要でしょう。(さらに支援団体の正義連は理事長の横領が明るみとなりガバナンスの問題も存在していた)
本報道によれば、韓国側は日韓での合意文書は交わさない韓国側の意向のようですが、文書無しで、センシティブな問題の解決が成り立つのでしょうか。今の伊政権の不人気ぶりを考えると、次の選挙では革新が有利となる可能性もあり、徴用工問題に対するスタンスを変更する可能性もあります。
そもそも、中身や文書無し合意について、日本側当局が合意するとは思えません。
また、件の韓国大法院判決については、国際法的な視点からは、下記のコンメンタリーが論点をよく整理しています。
https://jsil.jp/archives/expert/2019-8
木村先生のコラムで、韓国側の瑕疵についての指摘があり、日本政府に対する提言も示唆に富みます。
https://www.newsweekjapan.jp/kankimura/2020/08/post-14_3.php
(なお、本コメントは「寄付で肩代わり」に賛成する趣旨では無く、仮にそれで日韓が合意した場合に留意すべき点という視点で書いています。また、台湾とフィリピンの女性にも償い金が届けられたアジア女性基金と、徴用工問題は、同じ土俵で比べられるものではない性質でもあります。なお、徴用工については、中国では華人労務者問題がありました。)「日韓双方の寄付で肩代わり」というのが具体的にどういうことなのか、まだ不明な点が多いです。
韓国政府としても、日本製鉄や三菱重工の在韓国資産を差し押さえるようなことは避けたい、といえます。
そこで、「財団」に「日韓双方」が金を出して、徴用工訴訟の原告らに支払う、これをもって、「日本政府からの賠償」の「肩代わり」とする、ということでしょう。
「日韓双方」の内、韓国政府と韓国企業でつくっている「日帝強制動員被害者支援財団」が金を出すのはいいとして、日本からは誰が出すという話なのでしょうか?
「肩代わり」というからには、日本製鉄や三菱重工が支払うはずだった賠償金を「日帝強制動員被害者支援財団」が代わりに払った、ということになりそうです。
これだと、日本製鉄や三菱重工が、「日帝強制動員被害者支援財団」に対して債務を負う、というふうに理解できます。
さすがに、日本製鉄や三菱重工が、「日帝強制動員被害者支援財団」との間でそのような債務についての契約を締結する、ということはないでしょう。
しかし、韓国側は、日本製鉄や三菱重工が債務を負っている、という解釈を公式化することになります。解決策に同意しないグループが、手続きに問題ありとして、
韓国政府を相手取って訴訟を起こすだろう。すると、韓国最高裁は、すべての当事者の同意を取り付けていなかったとして、韓国政府が妥結案から撤退することはないのか?日韓間の合意は、そのようにして、いつも無効になってきた。