薬の「電子処方箋」 今月から全国で運用開始 適切な服薬に期待
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注目のコメント
私が勤務するニューヨークの病院では、処方はほぼ全てが電子処方箋で行われています。電子処方箋を行って感じるメリットとデメリットは、ざっと以下の通りです。
メリット
・処方内容や飲み合わせが悪い薬の確認が容易になる
・オンライン診療や薬の配達との相性が良く、普及が促進する
・調剤の待ち時間が短縮できる
デメリット
・システム構築のために時間とコストがかかる
・処方を受け取る薬局を変えたい場合、もう一度処方箋を送る必要がある
・広く普及するまでは混乱が増え、トラブルシューティングに時間が取られる
一旦、医療者も患者さんもこのシステムに慣れてしまえば、より利便性を感じやすくなると思います。また、更に大きな視点では、ビッグデータ活用や医療の質向上にも繋がることが期待されます。最初は混乱もあるかもしれませんが、
重複処方の回避や、
調剤→受け取りがスムーズになる、
オンライン診療の利便性があがる、
などメリットが十分に想定されますし、時代の流れ的に進めるべきことと思います。
重複回避は処方だけでなく検査も同様。
現状は、同じ症状や疾患のために複数の病院で同じ検査を行うということがありうるし実際行われてしまっている状況で、
不必要な医療費を削減するために、いずれは診療内容も医療機関どうしで共有できると非常に合理的と思います。電子処方箋の導入に伴って、日本の服薬管理の強みであったお薬手帳がおざなりにされていくようなことがなければより良いと思います。
確かに電子処方箋の導入により、デジタルで薬剤確認が全てできるようになるはずですが、デジタルとの親和性が低い患者さんには、薬剤リストがブラックボックス化し、かえって理解が悪くなる恐れもあります。
その点を紙のお薬手帳は一定程度助けていたと思いますので、良いところは残るみたいな淘汰が進むと良いと感じます。