日本電産を退社した片山幹雄の初告白。日本が勝つためのヒト・モノ・カネ
コメント
注目のコメント
シャープの液晶スパイラル戦略はスタート当初まさにうまくいった。なぜなら液晶パネルの大型化は非常に難しかったから。
液晶自体、本当にうまくいくかわからない技術だった時代が長く、例えば任天堂がゲームボーイに採用した頃などは動画に弱かったし、携帯電話に搭載された当初も画素はかなり大きかった。ノートパソコンに搭載された時も焼きつきが酷かった。
技術の下積みが長かったが、作り方が平準化され、装置産業と化してからは今度はあっという間に投資合戦になりフェーズが大きく変わった。フェーズの変わり目に乾坤一擲の投資をしたのが堺G10ではあったが…結果としてそれがシャープを追い詰めた。
同じようなことは有機ELや太陽光パネルでも起きている。
大事なことは潮目の変化点を見逃さないことなのかもしれない。
技術を持っていても、その使い方、アプリケーションがデザインできなければ、チャンスは掴めない。DRAM世界一、LTPS液晶でも最高の技術を持っていた東芝はiPodやiPhoneに供給は出来たが、製品として世界でヒットさせることはできなかった。(ノートパソコンは作れたのに)日本電産を出て自由になったとおっしゃるので、このところメタバースなどで相談申し上げています。
さすがの卓見と経験で、スケール大の言葉が千のナイフのようにビシビシ来ます。
「失敗したのは、サムスンがロシアと契約してシベリア鉄道を私たちより先に押さえたこと」。
「1兆円規模のマネジメントはできなくても、1000億円規模であれば財務も人事もできる人はいます。」
くあ〜うーん。。なんか違う気が、、。
ユーザーニーズにフィットしたモノづくりをしなかったから、オワコン化したんじゃないのか。。8Kとかもはやオーバースペック(QCDのQが過剰)だったわけで。。Qの設定ミス。。
「QとCは技術で決まるのです。東芝の半導体をはじめ日本の総合電機メーカーは、優れた技術によって世界に勝ってきました。しかし、先行する企業がフォロワー企業に負ける理由は、供給能力に問題が生じたからです。」
→この表現をするということは、やはりユーザ視点が抜けていたんじゃないか、と思わせる。Qについて、本当にユーザニーズにフィットしたものだったのか、の省察が無く、「技術で決まるのです」、と言い切っていることからも、ユーザ目線のQでなく、メーカー目線のQになってしまっていたことが伺える。それでユーザニーズにフィットしたモノづくりをしなかったからオワコン化したんじゃないか。未だにその意識でいるのだろうか。
まあ、もともとQCDの使い方としてQはモノづくり上の品質を意味していて、ユーザニーズの話とは関係あるのかないのか、曖昧だったから、混同しやすい。なので、QCDだけで語り始めると、ユーザー視点が抜けがちになる可能性があり、今のように顧客視点が求められる時代には、注意しなければならない。個人的には、濱口秀司氏「イノベーションの作法」にある「B:ビジネスモデル、T:テクノロジー、C:消費者体験」がわかりやすい。QCはTに含まれるし、DはTまたはBに含まれると解釈した上で、C(消費者体験)についても語れてMECEな感じがする。