半導体製造が止まる危機、人類の文明は終わりの日を迎えてしまうのか? ドライエッチング装置用冷媒が市場から消えるインパクト
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ガルデン、フロリナート、ノベックは沸点が異なるので、シビアな用途だと相互代替はできない。ガルデンは高沸点なので高温で使えるけど、低温では粘度が高くなりすぎて使えない。ノベックは低温用途と、少しでも熱伝達を改善するため低粘度冷媒として使われることもある。もちろん高温では揮発するので使えない。
だいたい常温常圧だとガルデンは揮発しないのに対して、フロリナートは徐々に揮発、ノベックはすぐ揮発するので大気中での取り扱いに注意が必要。この揮発性で見分けることができる。
なのでガルデンは必ずしもノベックとかフロリナートの代替にはならない。さすがにその他の代替品があって、メーカーではきっと検討が始まってるはず。3M製品は特性が良かっただけに、冷媒性能ダウンによるしわ寄せはありそう。マクロではエネルギー効率悪くなるだけかもしれない。
エッチング装置における冷媒は冷凍サイクルとか使うわけではなく温調して循環させるだけだけど、高周波を使うので絶縁性じゃないといけない。つまり水が使えない。認知されれば自動車冷媒みたいに特例的な冷媒が整備されるのかもしれない。ドライエッチング装置のチラー用冷媒PFASについての問題について、半導体製造の前工程や材料の状況から丁寧に説明されており勉強になりました。
3Mプレスリリースは以下。
●3M、2025年末までにPFAS製造から撤退へ
・2025 年末までにすべての PFAS 製造を終了する: 3Mは、すべてのフッ素ポリマー、フッ素化流体、および PFAS ベースの添加剤製品の製造を中止します。お客様の秩序ある移行を促進するお手伝いをいたします。3Mは、移行期間中、現在の契約上の義務を履行する予定です。
・2025 年末までに、当社の製品ポートフォリオ全体で PFAS の使用を中止するように取り組みます。当社は、継続的な研究開発を通じて、過去 3 年間で PFAS の使用をすでに削減しており、お客様のために新しいソリューションを革新し続けます。
(英文)
https://news.3m.com/2022-12-20-3M-to-Exit-PFAS-Manufacturing-by-the-End-of-2025ガルデン、懐かしい名前です。
30年ほど前の脱フレオンでも似たような騒ぎになった。サプライヤーは代替品の目処がついてから生産中止するケースが多く、いまの時点では何とかなるのではと思っている。
仮に目処がつかないまま急遽中止するなら、それはPFASの高い危険性を自ら表すことになってしまいます。
ただ、脱フレオンの経験から一時的に歩留まりや生産性が低下するのは避けられない。これは次世代プロセスの採算性を脅かすに違いなく、なのでTSMCは補助金目当てに海外工場計画を次々発表しているのかなと邪推してしまいます。