2023/1/2
【映像業界のプロ目線】本当に面白いYouTubeチャンネル8選
ここ数年で「動画コンテンツ」は種類も数も爆増した。
息抜き、学び、情報収集とさまざまな目的にこたえてくれるため、複数のデジタルプラットフォームを横断して「何かないかな」とチェックするのが習慣になっている人も多いだろう。
問題は、あまりに選択肢が多いことだ。「YouTube検索のコツ」などの解説記事も、相変わらずよく読まれている。
そこで今回は、テレビをはじめ、Netflixなどでも活躍するプロデューサーの古田清悟さんに、YouTubeで見られる「本当に面白い動画チャンネル」だけを教えてもらった。
映像のプロは、どんな動画を評価するのだろう。
INDEX
- ぴよぴーよ速報
- VICE Japan
- あきばっか〜の公式チャンネル
- TRNGL
- ジャルジャルアイランド
- WIRED.jp
- 【公式】オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。
- 山田玲司のヤングサンデー
ぴよぴーよ速報
謎のひよこのキャラクターが、ざっくりとした説明でわかりやすく歴史や哲学を解説してくれる「解説系」のチャンネル。
マルクス、三国志、日露戦争と、取り上げるテーマは難しいものも多いのですが、雑なアニメやイラストで図解してくれるので、見るほうのハードルは一気に下がります。
僕が最近、特に面白いなと思っているのが、「歴史的偉人が歴史的偉人を論破する」というシリーズ。現代のシチュエーションに落とし込んで、偉人同士がリアルな討論をするんです。
「アインシュタインvsマキャベリ」「デカルトvsフランシス・ベーコン」など、名試合がたくさんあります。
こういう授業なら、歴史や哲学に興味を持つ子どもも増えるはず。教育現場でも活用できるフォーマットだと思います。
VICE Japan
元はパンクのフリーマガジンとして創刊した「VICE」は、今や世界最大級の映像メディアに。
ドキュメンタリーを軸に、音楽やニュース、ファッションなどさまざまなジャンルのコンテンツを配信しています。
VICEの一番の特徴は、「攻めている」ということでしょう。そもそもVICEとは、「悪、非行、不道徳」といった意味。
ブランドそのものに、ちょっとやんちゃで嘘がないイメージがあるので、テレビや公共的な意味合いが強いメディアでは描きにくい題材も、中立性等を気にせず切り込んでいきます。
だから、VICEが大統領にインタビューをすれば、若者たちも興味を持って見てくれる。唯一無二のカラーを持つメディアなのです。
あきばっか〜の公式チャンネル
「あきばっか〜の」とは、秋葉原で行われているアニメ・アニソン好きたちによるダンスバトルのこと。
参加するダンサーは、みな相当高いダンススキルを持ち、ランダムで流れる音楽に合わせてその都度アドリブでダンスをしていきます。
でも、それより驚かされるのは、ダンサーとMCと観客の結束感。
参加者全員が「アニメファン」という固い絆で結ばれていて、どの曲も全員が知っている状態だから、一体感がすごい。ダンサー、MC、観客の間にまったく壁を感じません。
ただの1カメ定点撮影で、凝った演出はないのですが、「事前のストーリー共有」と、会場の「圧倒的な熱量」には、細かな演出を超える力があるのだと感じます。
学ぶところが多いので、今後エンタメ・コンテンツ制作に関わる人は、ぜひ一度見てみてください。
TRNGL
おそらく海外の映像制作のプロたちによるチャンネル。
「日本」「中国」「フィリピン」など、アジア諸国のあるひとつの国をテーマに、海外の人の視点で昔の映像(ドキュメンタリーや映画)をつなげ、ひとつの作品を作っています。
「おそらくプロ」と言ったのは、映像がすべてクリアに加工され、非常にセンス良く並べられているからです。
純粋に「よくできた動画」なので、見るだけでクリエイティブのヒントにもつながります。
また、70年代、80年代、2000年代など「少し昔」のアジアを切り取っているので、誰もがノスタルジックな気持ちになるはずです。
心地良い映像体験がしたい人におすすめです。
ジャルジャルアイランド
人気芸人「ジャルジャル」のお笑いチャンネル。日替わりの企画動画を毎週月〜金曜日に配信しています。
ジャルジャルは、「ジャルジャルタワー」という公式動画チャンネルも持ち、そこではジャルジャルらしい「変な奴」を演じるコントを多数配信していますが、「ジャルジャルアイランド」ではリモート映像なども使った「実験的な笑い」に挑戦しています。
ただの「変な奴」ではなく、「ギリギリありそう」な設定をしてくるのがジャルジャルらしさ。
「高い共感性」と「絶妙な違和感」が彼らの面白さ、圧倒的な人気の秘密なのだな、と感じます。
WIRED.jp
雑誌『WIRED』の動画チャンネル。映像ならではのストーリーテリングで、テクノロジー、カルチャー、経済などについて、日本版『WIRED』の切り口で語ります。
難しいテーマを取り上げることも多いのですが、知識を深掘るための質問フォーマットがうまい。
たとえば下の動画では、UCLAでコンピューターサイエンスを教えるアミット・サハイ教授が、暗号資産などとも深い関わりのある「ゼロ知識証明」の概念を説明していますが、なんとインタビュアーが5人います。
①子ども、②ティーンエイジャー、③大学生、④大学院生、⑤専門家へと、説明する対象が変わるにつれて、内容が複雑化して難易度が上がっていく仕組みなのです。
これは動画ならではの素晴らしいフォーマットでしょう。
【公式】オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。
オードリーがMCを務める中京テレビの深夜番組「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」の公式チャンネル。
番組自体は「オードリーに会いたい!」という人にクチコミを投稿してもらい、オードリーが会いたいと思った投稿者に会うというもので、5〜10分で素人の演者さんがどんどん入れ替わっていきます。
このチャンネルでは、過去放送分から素人さん1人を1コンテンツとして切り出して配信していますが、完結感があるので「ネットで見る動画」としてとても相性がいいです。
ちょっとだけ「地方っぽさ」があるのもポイントで、ハードルが低いところから始まって、どんどん面白くなるんです。「これぞテレビの構成演出の妙」と、見ていてうれしくなります。
ある意味で帰結点をしっかり作らないローカル局の作品は、ネットや他の媒体との相性がいい。
今後は、そうした強みを生かした「ローカル番組発」の動画がどんどん出てくるかもしれません。
山田玲司のヤングサンデー
『ゼブラーマン』や『Bバージン』などを手掛けた漫画家の山田玲司さんがMCを務める、生放送のトークライヴプログラム。
僕は思春期に『Bバージン』を愛読していたので、チャンネルを発見したときはかなりテンションが上がりました。
漫画、アニメ、本、映画、ゲームなど、さまざまなサブカルコンテンツに関する批評や解説が行われるのですが、現役の漫画家の視点から語られる「構成論」や「演出論」が非常に面白い。
コンテンツから見る「時代背景」や「社会構造」にまで言及することもあり、単なるコンテンツ解説に留まらない広がりも魅力です。
大物漫画家やクリエイターが出演して、作品を作る上でのリアルなエピソードを語る回もあり、クリエイターとしての学びも多いチャンネルです。
👇古田さんが関わった動画はこちら👇
デザイン:石丸恵里
編集:大高志帆
編集:大高志帆
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