ロシアが原油輸出に下限価格設定を検討、G7の上限に対抗-関係者
Bloomberg
2022/12/07
(ブルームバーグ): ロシアは原油輸出に下限価格の設定を検討している。主要7カ国(G7)が先週、ロシア産原油に上限価格を設定したことに対応する。
この計画を知る当局者2人によると、バレル当たりで固定した下限価格を設けるか、国際指標原油に対する最大割引率を定めるかの2つの案がロシア政府内で選択肢に上っている。
下限価格が決定されそうな具体的な水準については、まだ全く見通しが立っていない。これが設定される場合、G7の上限価格よりも高いのか、低いのかが注目されるだろう。G7はバレル60ドル以下で販売されるロシア産原油に対してのみ、自国企業が提供する標準的な保険など原油取引に絡むサービスへのアクセスを認める方針。この価格を超える取引では、ギリシャの石油タンカーも利用できなくなる。
ロシア産原油は同国にとって主要な収入源であるだけでなく、世界への供給にも関わる。G7はウクライナでの戦争継続に必要な資金を調達する能力をロシアから奪いつつ、ロシア産原油の供給を維持する水準に上限価格を設定した。
非公表の協議内容だとして匿名を条件に語った関係者の1人によれば、ロシアは原油の買い手に対して透明性ある価格メカニズムの提供を目指しており、上限価格への対抗策では市場原理に基づくアプローチを守るという。市場に沿わない措置を押し付けて中立国の反感を買いたいとはロシアは考えていないと、この関係者は述べた。
原題:Russia Mulls Setting Oil Price Floor in Response to G-7 Cap (1)(抜粋)
©2022 Bloomberg L.P.