サッカーW杯で特需のサイバー「ABEMA」 まだ見えぬ投資回収
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メディア事業の投資をメディア事業で回収する必要はないと思います。いや、むしろ、アベマはテレビ朝日とのJVなのでアベマに赤字をつけた方が良いとさえ言えます。そのためのJVかもしれない。
ワールドカップで獲得したユーザーは終われば離れていくでしょう。でもここで獲得したユーザーを背景に広告部門は今までリーチできなかったナショナルクライアントの上層部に食い込んだはずです。ナショナルクライアントも単なるネット代理店扱いにはしないでしょう。年間売上1兆円にまもなく届く1番の売上部門は広告部門です。
ナショナルクライアントの上層部の頭にはサイバーエージェントの名前が深く刻み込まれたはずです投資回収に不確実性がないなら、苦労しない。不確実性があるからこそ、リスクテイクになるし、それが上手くいくことも上手くいかないものもある。
Abemaは今回、実際に見るという行動部分まで行う顧客を獲得した。当たり前だが、使ってみるから、次につながる。それで習慣化したり、第一想起を取れるか。そこで大きい変化をほかのストリーミングサービスや可処分時間を争うところから取れれば、競争としてはW杯のBefore Afterで大きく有利に変わったということ。
そして顧客に受け入れられる競争で有利になるということは、他社が不利になることの表裏一体。同じ施策でも、投資対効果が改善する。
逆に、一過性で行動がそこまで変わらなかったら、勢いをつけられなかったという観点で、どれだけ注ぎ続けるかという戦いになる。
下記スライド31がAbemaのWAUの推移。ここで水準が変わり、それが定着するかがキー。
https://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/u2ge/gj4V/r1Vl.pdf#page=32ここからが藤田晋さんの力の見せどころ。ワールドカップが空振りに終わったわけじゃないのだから、無料放送を楽しんだ外野がとやかく言うべきじゃないと思う。藤田晋とサイバーエージェントの闘いは、もう始まっている、と僕は思う。