報告怠った幹部3人処分へ 健康福祉部長は更迭
コメント
注目のコメント
市 V.S. 保育園、市長 V.S. 市職員のような今の構図に、私は、強い違和感を覚えます。
この保育園を運営する社会福祉法人の所轄庁は、裾野市長です。(複数の市町村にまたがる場合は、都道府県知事となりますが、この法人は、分園も含め、裾野市に所在しているようですので、その場合、市長が所轄庁になります。)(社会福祉法第30条第1項等)
所轄庁(市長)は、社会福祉法人の設立認可を行い、法人の運営に関する指導監督を行います。具体的には、年に一回以上、指導監査を行い、運営等に問題を有する場合は、特別監査を行います。
定期の指導監査では、主に施設の設備や運営に関する基準が守られているかを、基本的に、書類上でチェックするため、虐待行為を発見することが容易ではない、ということなのかもしれませんが、しかしながら本来、最も大切なのは、職員が児童に対して、直接にどのようなケアを行っているか、ということのはずですし、虐待のような悲惨な事態を防止、発見、中止、改善させることのはずです。
今回のことで、(裾野市に限らず、広く一般的に)「行政の指導監査の限界」という深刻な問題が、明らかになったともいえるのではないかと思います。
そして、この社会福祉法人の最終的な指導監督責任は、所轄庁たる市長にあります。市職員の市長への報告が遅れたということの監督責任だけではなく、そもそも、この保育園の運営に対する指導監督が行き届かなかった責任も、実は、市長にあるのです。(首長というのは、それくらい責任の重い仕事で、本当にお大変だと思います。)
重大事の報告が上がってこなかったことの憤りは分かりますが、これは、単に部下を処分すれば済む話ではなく、報告の遅滞に加え、そもそもこの保育園の指導監督の問題についても、なぜそうなったのか、どうすべきだったのか、今後どうすれば防げるのか、といったことを、しっかりと自らのこととして、お考えいただく必要があると思います。(これは、裾野市に限らず、すべての地方自治体、そして、国の省庁が、ご留意いただく事柄ではないかと思います。)僕は、市とか、行政の問題とか、そういうのどうでもよくて、どうしてこの保育士の三人は、こんな非人間的なことができたのか、その理由を知りたいです。根本はそちらのはずです。解決すべきは、そちらの原因のはずです。