[ニューヨーク 1日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は1日、ウクライナでの戦争の影響や欧州・中国・米国経済の同時減速が重しとなり、来年の世界経済成長率が2%を下回る可能性が高まっているという認識を示した。

ゲオルギエワ専務理事はロイターネクスト会議で、世界第2位の経済大国である中国の経済減速をとりわけ懸念していると述べた上で、「消費者心理や投資家心理を見る限り、状況は最近悪化している」とした。

IMFは10月、2023年の世界経済成長率予測を7月時点の2.9%から2.7%に下方修正。さらに23年の世界経済成長率が2%を下回る確率は25%と推定したほか、世界のGDPがマイナス成長に陥る確率は10%を上回っているとした。

ゲオルギエワ専務理事はロシアの「無意味な戦争」の欧州経済への影響や欧米中の同時減速に言及し、10月に示した「確率がさらに小幅上昇する可能性を懸念している」と述べた。

さらに、ロシアによるウクライナ民間インフラへ施設への攻撃によって、ウクライナが来年に経済活動を維持するコストが拡大していると指摘。必要となる資金の従来見通しは月30億─40億ドルだが、最大で月10億ドル増加するという見方を示した。同時に、欧州連合(EU)や米国、その他の国がウクライナに必要な支援を継続すると確信していると述べた。

また、来週に他の国際機関の代表と共に中国・北京を訪問し、中国の経済見通しや新型コロナウイルス対策について同国指導部と協議すると明らかにした。