米国、ロシア民間軍事会社ワグネルのテロ組織指定を検討-関係者
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ワグネル社をテロ組織に指定することが難しいとすれば、それは、かなり多くの政府が同社と契約を結んでいるからです。
ロシア政府だけではなく、シリア、スーダン、中央アフリカ、リビア、マリ、等々、よく知られているところだけでも、10か国ほどの政府がワグネル社と契約を結んでいます。
単に軍事訓練だけではなく、戦闘への参加、兵器の密輸、金などの鉱物やその他の戦略物資の密輸も請け負っています。
米国政府としては、ワグネル社をテロ組織に指定するからには、これらの国の政府にワグネル社との契約を破棄させねばなりません。
しかし、ワグネル社は、これらの国で反政府勢力の抹殺などで大きな役割を果たし、政府にとって無くてはならない存在になっているところもあります。
もし、これらの国が、米国からワグネル社と手を切るように要求されて、拒否すれば、米国としては何らかの強力な制裁をこれらの国に課すことになります。
そうなると、今は米国と敵対しているわけではないいくつかの国を、明確に米国と敵対する側に回してしまうことになります。
ワグネル社がここまで大きくなる前に潰しておけばよかった、ということではありますが、今後放置してさらに大きくなる可能性を考えれば、早急に潰した方がいい、ともいえます。
しかし、それは実際には容易ではなく、中途半端なテロ組織指定や制裁だけでは、米国と同盟国が経済的に損をする、という結果になりかねません。これは注目ですね。ワグネルはアフリカでは通常の警備の仕事もやっていますので、「テロ組織」に指定された場合、困る国や企業が出てくるでしょう。ワグネル社の創業者であるブリゴジン氏が最近ロシア国内で影響力を強めているようですので、ロシア側から過剰な反応が出てくる可能性もあります。
ワグネルがテロ組織であることは当然として、多くの民間人を暴行、拷問、強姦、殺害し、多くの子供達を誘拐し、民間人が住む住居や人が生きていくのに必要なインフラを攻撃破壊しているロシア自体がテロ組織であると認定したっていいのではないでしょうか。