「日銀の対応は壮大なギャンブルだ」 英紙がインフレに苦しむ日本経済を懸念
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壮大なギャンブルと呼ぶかどうかはともかく、禁じ手と見る向きが多かった株式(ETF)の購入や長期金利のコントロール(YCC)を含む日銀の極端な金融緩和が、壮大な社会実験であることは間違いなさそうに思います。2年の短期決戦を前提に始めた極端な政策が奏功せず10年に及んで、政府が発行し日銀が抱える巨額の低利国債、バブル的に上がったマンションの購入を支える巨額の低利の変動金利ローン、金利の急変動を招きかねない薄い国債市場、日銀が実質的な筆頭株主になった株式市場といった様々な歪が随所に溜まっていることは確かです。
政府が国債を発行して財政支出を膨らませ、日銀がその国債を買って量的緩和を進める組み合わせは、日本が低インフレで日銀が国債を買い続けられる限り、水面下で歪が溜まるだけで問題は表面に出てきません。日本が想定以上のインフレに陥って日銀が国債を買うのをやめて金利を上げて対応せざるを得なくなった時、問題が一気に表面化するのです。その時、経常収支が赤字、つまり政府と民間を合わせた日本全体が赤字に陥っていれば尚更です。
危機はじわじわやって来るものではありません。歪が溜まって人々が何か変、と思い出し、それが臨界点に達したところである日突然やって来る。1980年代初めの累積債務危機からアジア通貨危機、リーマンショックに至るまで、私が人生で経験した危機はすべてそうだったように感じます。
日銀が金融政策を急転換せざるを得ないほどのインフレが日本で起きるかどうか、今の時点で確実な答えを持っている人はたぶんいないでしょう。そうだとすると、ギャンブルという表現も、強ち変とは言えないように思います。勝つことも負けることもあるのがギャンブルですからね (^^;「世界各国で国債の金利が下がらなければ、日本はYCCを維持せざるを得ず」ということは、世界各国で国債利回りが下がったら日銀がYCCを修正しやすくなるということだと思うのですが、そのロジックが良くわかりません。
少なくとも、消費者物価でみれば、まだ歴史的なインフレと言われる水準にはありません。
https://yaruzou.net/data-jpn-cpi-inflation-rate