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注目のコメント
昨年ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士は、まず大気の気候モデルをつくり、次に大気と海洋で起こるプロセスを合わせてシミュレーションするための「大気海洋結合モデル」を開発しました。今回、その真鍋博士とも議論しながら研究している森岡優志博士にお話を伺い、真鍋博士がなぜ後者のモデルを開発したのか、そして気候変動や地球温暖化の行方を予測する上で、海の研究がいかに大事なのかがよくわかりました。
南極の海の氷が長期的に見て増えているという現象や、広大な海の観測で活躍する「海のテスラ」、さらには研究の未来など、幅広く解説していただいています。
個人的には、シミュレーションの解像度を上げたからといって必ずしも正確な結果が得られるわけではない、という部分が特に興味深かったです。技術の進歩だけでなく、その使い方がやはり重要なんですね。ここ1年ほど世界の平均気温がここ200年ほどで一気に上がっているグラフが衝撃だった。特に下記のように1000年以上の時間軸で見ると、フラットだった時代からここ200年で一気に立ち上がっている。
ただ、記事にあるように空気より水の方が熱を貯められる。その意味で、海水温の変化は、変化が出にくいがエネルギーとしてはものすごいものになる。
https://en.wikipedia.org/wiki/Global_temperature_record
そのなかでのデータ取得からシミュレーションまで様々な取り組みが出ていて、とても興味深い記事。また、北極と南極での影響の出方が違い、南極はむしろ氷が増えていたというのは知らなかった。おまけにそれが30年前にはノーベル賞を受賞された真鍋氏の研究で分かっていたというのが一層すごい。
先日、真鍋氏が書かれた下記のブルーバックスを読んだ。正直、自分の力が足りずに内容はあまり理解できなかった。でも、感動したのが、地球温暖化という課題に対して、多くの研究者の長年の叡智によって、色々な予測ができるようになっていること。現象がただ起こるのと、起こっていることを捕捉・予測できるかでは、取れる対策も違う。
そして本記事のシミュレーションが面白く、計算が精緻・複雑になればいいわけではなく、粗くてもシンプルで、パターンを正確にとらえることでより遠い未来まで予測するといった方針は、個人的にはとても賛同する点。
それは気象に限らず、多くのことについて。人間の認知限界がある。だからシンプルで直感的なところをまずはやっていくことが重要だと思っている。もちろん、そこの確度を高めながら、コンピューターの計算力とその進化で、一層細かい部分をやって、そこからまた新たな発見が出ることもとても素晴らしいこと。でも変数を適切に絞り、モデルがシンプルなことは、美しいと思う。
地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球(真鍋 淑郎)
https://amzn.to/3ANjMa8海から生物が生まれ、人類に進化したといわれています。生命を育てる海の生態系の変化を長期的に予測するというのはすごい。夢があります。人類の横暴な行為で悪夢になることがあるかもしれません。海をたいせつに、陸もたいせつに、地球をたいせつにという共生思想が必要です。
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