「対象者の善意裏切った」 JAXA謝罪、医学研究改ざん問題
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柚木氏の指摘にもある通り、公的あるいは第三者的な検証機関はあった方がいいと思います
研究者育成も重要ですが、杜撰な作法が増えては元も子もありません
お金がかかるという指摘もありますが、ランダムサンプリングで一部機械的にやることでも効果があると思います。一定の抑止力になりえます
内面的道徳的な徹底も重要ですが、仕組みでキャッチアップすることも重要だろうと思います、組織的なものであれば個人の規律だけでどうこうできないケースもあると思いますので
注目のコメント
古川氏の「重大な不適切行為」が研究データに関する不正行為である、ということ以外は良く分かりませんので、研究における不正行為に関する私見を述べます。
名声や出世を求める研究者にはデータ捏造の誘惑が付きまといます。大きな予算を獲得したが思っていた結果にならない場合もあります。私も含め捏造など考えもしない研究者が大半ですが、誘惑にかられる研究者は一定割合いるでしょう。
ではなぜ彼らが捏造に踏み切るのか? “バレないはずだ”という過信でしょうね。生命科学を例に挙げると、生命現象それ自体が持つばらつきが大きいためデータが分散しやすく、ラボ環境の違い、実験者の違い、生体ロットの違いという言い訳の余地が多く残されています。実際にやったらそうなったんだと言い切れば良いという。“論文は仮説にすぎない”という割り切りの声も聞きます。もし誰かが捏造しても、研究者は皆さん自分の研究で忙しいので、よほどの研究成果じゃないと他人が検証することなんてありません。実際にバレにくいと思いますので、判明する場合は内部告発が多いです。“論文データ検証機関”があれば捏造はほぼ無くなると思いますが、そんな機関にお金が付くはずもない。
一方、企業の場合、良い結果を捏造してしまうと「製品化するぞ!」というある意味での検証作業がやってくるのでおいそれと捏造などできません。私も実用化研究をしているので、捏造なんかあり得ません。再現が取れずに困るのは自分ですから。物理学や化学など、他人が再現実験しやすい学問分野でも捏造は起こりにくいです。
捏造抑止のために国が出来ることはしつこいくらいの倫理教育と罰則強化しかないというのが現状です。「宇宙飛行士」と研究不正といえば、東大助教を務めていたアニリール・セルカン氏による事件を思い出します。NASAで宇宙飛行士の訓練を受けた「初のトルコ人宇宙飛行士」を自称して経歴を詐称し、後に論文盗用なども発覚して東大から博士号をはく奪された初めてのケースとなりました。
今回の事案については、研究グループでどのレベルが関与し、統括責任者が把握していたかなど詳しくはJAXAの発表を待ちたいところですが、記事が事実であれば、観察研究において改ざん・捏造がおこなわれた可能性があるまずい事案です。発表前に発覚して研究を中断しているからお役所の定義では「研究不正」には当たらない可能性もあるとのことですが、そんなことは関係なく厳しい目を向けるべきでしょう。
残念ながら日本は研究不正大国です。世界の研究不正をウォッチしているRetraction Watchによれば、論文撤回本数の多い研究者ワースト10のうち半分が日本人です。
※当初の投稿を補足しました。JAXAが認定したということはかなり深刻な問題なんだろうな…。宇宙飛行士は子供達が憧れる職業なだけに、残念な話だが、どうしてこんなことをしようと思ったのか、何を焦っていたのか、ちょっと疑問が残る。