ユニコーン100社目標、政府 スタートアップ5カ年計画
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スタートアップへのリスクマネー供給増加を求める気持ちと、過剰供給が引き起こす官製バブルとスタートアップ全体に対する信頼喪失への懸念との間で悶々とするのが正直な気持ち。
世の中から信任されないものが社会に根付くとは思えません。一方で非連続的な施策をとらねば手詰まりという焦燥感も覚えます。
特に大きな先行投資を要する分野でのリスクマネー不足は切に感じる一方、上場後はあくまで市場の論理で各社が評価されることを思うと、政策色の濃い資金を増やすことが上場ゴールを量産することになりやしないか、回り回って和製スタートアップ全体への失望を招くことになりやしないかという懸念。
そんな先の懸念よりもとにかく今は資金供給の増加を優先すべきという考えもわかる一方、長い時間軸で日本にスタートアップを根付かせてより大きなインパクト創出を目指そうとする観点からは、マーケットに歪みを生じさせかねない施策に対して両手で賛成するのは難しい。
あくまで程度問題であり、方法論の問題ですね。
いずれにせよ公的機関が担うべき役割は民間プレイヤーが活動する環境整備が基本。
甲子園球場で捉えるならば監督やコーチではなく、ましてや選手であってはならず、あくまで阪神園芸の役割。グラウンドの神整備に徹することを願います。
またスタートアップを取り巻く最も希少なリソースは今も昔も起業家であることに変わりありません。
民間プレイヤーとしては自分のできる範囲で起業家の増加と底上げに少しでも寄与せねばと思う次第です。政府のスタートアップ5ヶ年計画が発表されました。正直なところ、ユニコーン100社という目標は意欲的ではあるものの、これまで議論の延長線上の計画の発表という印象です。
そもそもユニコーン(評価額1,000億円以上)は、1億円を誰かがあるスタートアップに投資して0.1%のシェアだけをとることにすれば、評価額が1,000億円と見なせて誕生するものです。そのため、市場で投資が加熱すればスタートアップが何もプロダクトを出さなくてもユニコーンは量産されます。政府も、報道も、そこをわかった上でこういった目標を掲げて報じて欲しいなと感じるところです。ちなみに、こういった政策で産み出されたユニコーンが、米国のセラノス社のような事象を引き起こすと、一気に信頼を喪失してしまうので、政府も投資家も慎重になっていただきないとも思います。
5ヶ年計画の内容としては、非常に荒いもの多いですが、個人保証の不要化、ディープテックの支援、海外投資家の呼び込みなど、是非達成して欲しいものも多く含まれているので、今後に期待したいところです。昨日のスタートアップ育成分科会が開催され、それについての内容です。現在8000億円規模のスタートアップ投資額を27年度に10兆円規模にするというのはとてもチャレンジングな目標だなと捉えました。
個人的に気になっているのはユニコーン100社創出。これは非常に危ない目標で未上場時は特定の投資家とスタートアップ間で企業価値が決まるので、ユニコーンとなり、いざ上場するとなると時価総額が300-500億円しかつかないということが起きると思います(直近も大幅ダウンラウンドでのIPOが相次いで起きていますよね)。特に事業会社/CVCは協業によるシナジー創出を優先して、バリュエーションについてはスタートアップと既存株主に言った通りになりがちなので...(おそろしい)。
昨日の資料はまだ公開されていないのですが、前回/前々回の資料は以下でご覧いただけます。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/index.html